SIとしてシステム系のスキルや知識を習得した後に、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)のソリューションカンパニーであるベルシステム24のマーケット開発事業部にて現在のノウハウを築き上げた株式会社モンリッチの代表取締役・山田耕造さん。

今回は企業からの相談を受けるきっかけとなった専門家相談サービス『Open Research』の相談事例、果ては専門家相談サービスが秘める可能性や活用するメリットまで伺ってみました。

*前編はこちらからご覧ください→https://nomad-journal.jp/archives/1286

CRMのプロフェッショナルに寄せられる相談の事例とは?

Q:スキルや経験を有するエキスパートとして、どういった相談を受けることが多いのですか。

山田耕造さん(以下、山田):

一社は音声認識の事業を展開されている企業でした。顧客の声をテキスト化することで、「どうマーケティングに活かしていくのか」「どうビジネスに活かすことができるのか」といった点についてのご相談でした。

Q:実際にどういった提案や、対応をされたのですか。

山田:

依頼された企業のターゲットとしている業界については、知見があったので、その業界における事業の内容やアプローチ方法などを提案しました。

依頼された企業は技術力が高くて、高度な音声認識の技術力を持っていたものの、アウトプットをどうマーケティングに活かすか、みたいなノウハウがあまりなかったんです。
それに加えて、対象先がコールセンターだったんですけど、「現場で何が行われているのか」「コールセンター内のオペレーションが、どういう仕組みで運営されているのか」などの知見がないことに苦労されていて、そのあたりの経験やノウハウをお話しさせて頂きました。具体的にデータの活用法を含めて提案し、助言をさせて頂いた感じですね。内容には満足頂けました。

「もっと顧客の声を活かしたい」とか「マッチングのクオリティを上げたい」という課題はCRMで解決できる

Q:先ほどCRMのマーケティングのニーズが高まってくるというお話がありました。今後、どういった業界や事業の方から、CRMマーケティングについてのニーズが寄せられると思われますか。

山田:

顧客を多く持っている企業、後はマッチングサービスを提供している企業は、悩みを持たれている印象です。この辺の課題はCRMで解決できることが多いのです。

「顧客数が多くてデータをどう扱えばいいかとか」「もう少し顧客の声を活かしたいとか」「マッチングがなかなか進まない」という問題点は、オペレーションや顧客の情報の取り方を変えたりするだけで、大幅に改善することができるので最適だと思います。

Q:相談を受けたり、コンサルティングをしていて、どういう時にやりがいや、醍醐味を感じられますか。

山田:

ビジネスが一歩進んだとか、売上に繋がったとかですね。あとは面白い人に会えたとき。やっぱりそういうところが、やりがいになっています。

知識の整理と新たな気付き、「相談を受ける」ことのメリット

Q:「Open Research」を回答者である専門家として利用された感想について、伺わせていただければと思います。

山田:

専門家としての提供価値としては、相談者のビジネスを加速できることが一番のポイントになると思います。
いろいろ自分で悩むよりも、専門家に聞くと圧倒的に早くて適切な答えが返ってくる。今回も実際に相談を受けてみて、クライアントからビジネススピードが上がったと嬉しい言葉を頂きました。

また、回答者としてのメリットとしては、自分を必要としているサービスや会社に会うことができることです。「Open Research」がなければそういった出会いもないですし、そこに課題を持っているお客様とも会えないわけですし。それを繋いでくれる面白いサービスなんじゃないでしょうか。

Q:こういったサービスは仕事の流入先になり得ると、山田さんご自身の見解としてどう考えられているでしょうか。

山田:

思いますね。私も会社を立ち上げたときに経験しましたが、分からないポイントや専門性が必要なポイントが結構、浮き彫りになります。そこに対して、独学で学ぼうとしても時間がかかってしまうじゃないですか。それこそ、自分が信頼できる相手を見つけて、1時間話すだけで解決される事って本当に多いものなんです。「Open Research」はこう言った出会いを提供していてとても面白いですよね。

Q:ありがとうございます。その他の部分で、専門家側がサービスを活用するメリットはありますでしょうか。

山田:

パートナーシップ先が見つかったりしますね。実は音声認識の会社さんなんかはですね、わたくしの事業のパートナーシップ先にすごく向いているんです。わたくしの会社はテキストを分析するようなシステムを作っているので、相談者の会社のサービスと連携できるような可能性は感じています。

違う業界だとしても、テーマを同じくして悩んでいる場合、ビジネスにおける改善軸での相関性が高いんですよ。そういう意味では、こういったきっかけで繋がり、情報交換できるだけで、パートナーシップ性みたいなものがすごく広がると感じています。

多様化する労働市場、専門家の問いかけが産業を変える

Q:人々の働き方が多様化していることを肌で感じられていると思います。今後はどのように働き方が変わっていくとお考えでしょうか。

山田:

私の会社でも着目しているのですが、やっぱりシニアの方々の活用やダブルワークなど制度は考えていく必要がありますね。ライフバランスなど福利厚生や従業員満足にも関係しますし、さらにはスキルをお金に変えることができるというこの仕組みは評価制度と照らし合わせてとても大事だと思っています。

Q:自身がこれまでに得てきた経験や知見は、何にも変えられませんからね。

山田:

CRMの発展の部分でも少し話しましたが、やっぱり働き手がいないんです、そして優秀な人はどこの会社でも引っ張りだこです。当たり前ですが、市場価値のある明確なスキルや専門性をもっている方は、企業ニーズが高いですよね。「働き方」が増えれば増えるほど、そういう専門性を持っている方の市場価値がどんどん高まっていくと思っています。
そういった世の中の流れに適合した経営をしていかないと、「有力な人材が集まらない」「コストが掛かるだけで人が集まらない」という課題に直面します。

Q:労働者が減れば、必然的に人材難に苦しむ企業は増えます。

山田:

そこは「Open Research」のように、外部の有能な人のスキルだけもらうというか。得たナレッジを自社のビジネスに効果的に展開することに頭を使うような、そういった方向に、うまく切り替えられていくのかな、と。
Open Researchのように、スキルを共有するような仕組みや、ワーク・ライフ・バランスを支援するサービスは、今後も成長してくのではないでしょうか。

Q:多様性のある働き方を体現するために、独立をされる方も数多くいらっしゃると思います。

山田:

そうですね。誇れるスキルがあると生きやすくなる世の中になっていくのかもしれませんね。
特にCRMの領域では、今後需要が高まる要素が高いにも関わらず、それらをディレクションできるプレイヤーが少ないんですよね。
わたくしは顧客体験を豊かにすることをテーマに活動しているので、多くのサービスにCRMマーケティングを根付かせるため、自分の所有しているスキルやナレッジは、存分に提供していきたいと考えています。

取材・記事作成:山田 貴大

写真:宮本 雪

ノマドジャーナル編集部
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