ビジネスノマドとして、自身のスキルを生かして働いていくときに重要なのが、「セルフブランディング」です。自分をどういった領域の専門家として顧客に見られたいのか、数ある専門家の中で自分をどのように差別化していくのか、何によって顧客に選ばれたいのか、その設計がビジネスノマドとしてのキャリアにおいてカギを握るといえます。

ウェブマーケティングから営業支援、組織構築支援まで、幅広い領域でクライアントの事業拡大に貢献する本気ファクトリー。代表の畠山和也さんは、自身がビジネスノマドとして数多くの企業に関わり、「根雪マーケティング」というコンセプトでリピーター獲得を推進してきました。

「根雪マーケティング」という自身のブランディングは、どのようにして形成されていったのか。そのプロセスには、ビジネスノマドとして活躍する上での大きなヒントがありました。第4回では、畠山さんがどのようにして自身のコンセプトを見出していったのか、その具体的な方法を語っていただきます。

ブランド認知を武器に、より多くの企業へ価値提供を

私はソフトバンク、リクルートの2社で営業としてのキャリアを積んだ後に一度起業し、失敗しています。経営者として全般的にスキル不足だったこともさることながら、その最大の要因はセルフブランディングが明確になっていなかったことだと思っています。だからこそ二度目に起業へ挑戦した現在の本気ファクトリーでは、私にしか提供できない価値を明確にし、それを資料で伝えることに力を入れてきました。

全体戦略は「”根雪マーケティング”というリピーター顧客育成のプロである」というコンセプトに基づいて進め、一つひとつの仕事で価値発揮量を最大化していきたいと思っています。現在のクライアントは、当初は「新規開拓を強化したい」という思いで声をかけていただいたところばかりですが、今は根雪マーケティングに舵を振り切ってリピーターを増やしています。

自分のブランドが認知されることによって、クライアントはもちろん、周囲のビジネスパートナーとの仕事もスムーズに進むようになる。ビジネスノマドとして勝負していくなら、ぜひセルフブランディングの確立に取り組むべきだと思います。私は自分のブランドを明確にすることができ、それを自己紹介資料という強力なツールで表現できるようになってから、飛躍的に成果が拡大していきました。

「自己紹介資料」が広げるビジネスノマドの可能性

印象的だったのは、サーキュレーションの担当者とお話していて、「畠山さんは根雪マーケティングのプロなので”新規開拓だけをやってほしい”という顧客とはマッチングしないかもしれませんね。お客さんをちゃんと見て、リピーターを育成していきたいという方にご紹介しますね」と言われたこと。ブランドが周囲に浸透しつつあることを実感しました。

自分の強みを理解していただいていることで、「ちゃんと時間をかけてリピーターを作っていく」ためのプロなのだと伝わります。営業というとどうしても足元の数字を作ることに焦点が当たりがちですが、それだけが大切なのではないと、顧客も私自身も理解してプロジェクトを進められるようになりました。「本来あるべきプレッシャー」を感じられるようになったことで、気持ちの上ではむしろ楽になったようにも思います。

自分のオンリーワンの価値を見極めて自己紹介資料を作るのは、とてもしんどい作業です。一人ではなかなかできないことかもしれません。私自身も長い時間をかけました。それでも、すべてのビジネスノマドが自分自身のために、自己紹介資料を作るべきだと思います。本当にマッチした仕事と向き合い、自分も顧客も幸せになるために、欠かせないことだと感じています。

私は今後、「根雪マーケティング」のコンセプトを広く展開し、複数の企業でパートナーや社外取締役としてコミットしていくことに注力していきます。さまざまな企業の経営に関わり、根雪マーケティングによる事業拡大に貢献して、「自分の会社だ」と誇りを持って言えるように活動していきたいと思っています。

（編集後記）

「根雪マーケティング」というコンセプトを見出し、自身のブランド化に成功した畠山さん。それを見出すまでには大きな苦労があり、長い時間がかかっています。完成した自己紹介資料は、畠山さんにしかできない価値提供を効果的に伝え、クライアント獲得にも大きなメリットを発揮しているそうです。

サーキュレーションでは現在、新たにビジネスノマドとしてご登録いただいた方へ、畠山さんの自己紹介資料を無料で進呈しています。独立したプロワーカーとして、どのように自分をブランディングしていくべきなのか、きっと参考にしていただけるはず。ご興味がある方は、ぜひ登録をご検討ください。

取材・記事作成：多田 慎介