2017年3月卒業予定の学生を対象にした人気企業ランキング(みんなの就職活動日記 https://www.nikki.ne.jp/event/20160428/)では、1位:電通、2位:全日本空輸(ANA)、3位:伊藤忠商事と、日本を代表する大企業がランクイン。

同じく、転職者を対象にした人気企業ランキング(DODA https://doda.jp/guide/popular/)でも、1位:Google、2位:トヨタ自動車、3位:ソニーと、新卒よりさらにレベルアップして、世界的な大企業がトップ3を占めています。

実は、上位3位までは例年とほぼ変わっておらず、この部分だけを見て「若者が安定志向になりつつある」とは言えないのですが、4位以降のランキングを見ると、銀行やメーカーなどが前年より順位を上げており、やはり大手・安定志向が少しずつ強まっていると感じさせます。

大企業で働きたい、という気持ちを否定するわけではありませんが、日本の企業の99.7%を占める中小企業にも目を向けてみることで、選択肢はもっと広がるはず。そこで今回は、中小企業の良さがわかる本をご紹介いたします。

これからの時代は、高く&狭く売る!

世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?
海外には、日本で知られていない面白いビジネスがたくさんある!


「大きな仕事ができない」「下請けばかり」・・・中小企業に対してこんなイメージをお持ちの方もいるかと思います。そんな方にぜひとも読んでいただきたいのが、本著です。
世界の中小・ベンチャー企業のビジネス事例と、飛躍するための3つのポイントを紹介。大企業がやらない「ニッチな」ビジネスだからこその成長性やおもしろさが、わかっていただけると思います。

著者:安西 洋之
出版社:クロスメディア・パブリッシング
出版日:2014年06月11日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/296

どんなところにも、チャンスはある。

バリアバリュー
障害を価値に変える


先天性の骨形成不全症により、子供の頃から車椅子生活を余儀なくされている、著者の垣内氏の半生を綴った物語。というと、どうしても「障がい者の方が書いた本」という先入観を持ってしまいがちですが、本書はれっきとしたビジネス本。障害(バリア)を価値(バリュー)にするという発送の転換からユニバーサルデザインという広大な未開拓市場を見つけ、会社を設立した経緯には、たくさんのアイデアが詰まっています。
こうした経営者に近いところで、想いやビジョンに共感しながら仕事ができるのも、中小企業ならではの魅力のひとつですね。

著者:垣内 俊哉
出版社:新潮社
出版日:2016年03月18日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/846

現実の世界なんて無視しよう(目次より)

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕
―37シグナルズ成功の法則


会社は大きいほうがいいなんて幻想だ―オフィスも、事業計画も、営業部隊も、広告もいらない。こうした価値観に基づき、たった十数人のメンバーで数百万人のクライアントを抱えるまでに成功したソフトウェア会社、37シグナルズ。本書では、彼らの考え方やノウハウを紹介しています。
言われてみれば、別に大企業にならなくても利益は出せるし、「会社は世の中に貢献するものだ」という側面を見れば、人数が少なくたって、できることはたくさんあります。大企業に入ったほうがいい人生が送れる、などという”周りの人の価値観”だって、自分には当てはまらないかもしれません。常識に惑わされず自分の判断軸を知る・作るといった意味でも、オススメの一冊です。

著者:ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
出版社:早川書房
出版日:2012年01月11日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/199

中小企業でも大丈夫ですか?

小さな会社でぼくは育つ


キャッチコピーにした質問は、著者が学生からよく受ける質問だそうです。「大丈夫」の中には、経営が安定しているのか、研修があるのか、おもしろい仕事ができるのか、などいろんな意味が含まれていることでしょう。
その中でも、働く人にとって大丈夫なのか、に焦点を当てたのが本書。業務の進め方、コミュニケーションの取り方など、中小企業での仕事の仕方をまるっと知ることができます。これまで紹介した本で「小さな会社のほうが、やりたいことができそう」と思っていただけたなら、次はぜひこの本を読んで、入社に備えてください。

著者:神吉 直人
出版社:インプレス
出版日:2017年02月01日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/1083

国家だって、小さい方がいい?

大前研一ビジネスジャーナル No.7
バルト三国・ベラルーシの研究~今、日本が学ぶべき”小国家戦略”~


最後は、少し視点を変えて「国家」の規模についての本をご紹介したいと思います。世間ではアメリカや中国、ロシアなど、国土、経済力、軍事力が大きい大国の影響が話題になることが多いですが、国として上手くいっているかどうか、成長しているかどうかは、また別問題。今、もっとも盛り上がっているのは、バルト三国とベラルーシ―日本ではほとんど知られていない小国を注目すべきだと、大前氏は言います。
企業と国家の戦略を同じにするわけではありませんが、通じるところも多分にあるはず。小国が強い理由や戦略の立て方を知ることで、中小企業を活かす道が見えてくるかもしれません。

著者:大前 研一著、大前 研一監修、good.book編集部 編集
出版社:good.book
出版日:2015年10月23日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/book/762

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
専門家と1時間相談できるサービスOpen Researchを介して、企業の課題を手軽に解決します。業界リサーチから経営相談、新規事業のブレストまで幅広い形の事例を情報発信していきます。