情けは人の為ならず【ナサケハヒトノタメナラズ】

よく聞くことわざですよね。クイズ番組などでもよく出題されていますが、どちらの意味なのかご存知ですか?

①人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる
②人に情けを掛けて助けてやることは、結局はその人のためにならない

正解は①。

ですが、2010年(平成22年)に文化庁が行った「国語に関する調査」で回答してもらったところ、①が45.8%、②が45.7%とほぼ同数だったそうです。

言葉については、言語学者・金田一京助氏の孫で、国語学者である春彦氏の二男・金田一秀穂氏が「言葉は生き物である」「正しい日本語というのはない」と言っている通り、時代の移り変わりとともに意味が変わっていってもいいものだと、筆者も思います。

しかし、②の意味で通るようになってしまうのは、なんだか悲しくないでしょうか。やはり、優しさがバトンのように受け渡され、回っていく世界のほうが心地いいですよね。優しくすることが照れくさかったり、忙しくてそれどころじゃない!という人もいるかと思いますが、回り回っていいことがあるはず!?(って、こんな邪心があっちゃダメですかね) まずは一日一善から、始めてみませんか。

優しさを軸に会社経営をする

クロネコの恩返し


「サービスが先、利益が後」という経営理念を体現するかのように、東日本大震災の被災地に総額142億円以上を寄付したヤマトグループ。
もちろん、広告などほかの投資と比べて効果が見込めるという分析があって寄付という名の投資をしたこととは思います。ですが、寄付に感動した人や被災地の方々が今後もずっとヤマト運輸を使うとは言い切れない、つまり見返りがないかもしれない状況で、まずは「与える」という選択はなかなかできないもの。冷静な投資の判断だけでない、紛れもない”優しさ”が根底にあると言えるでしょう。

著者:日経BPビジョナリー経営研究所
出版社:日経BP社
出版日:2013年09月12日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/42

気付かれない気づかいこそ「金」(本書より)

仕事も人間関係もうまくいく
ANAの気づかい


ANAの社員が日々実践している、マニュアルにない「気づかい」。口で伝えられてきた秘伝とも言える技術を、勤続20年以上のベテランやOBに丁寧にヒアリングしたのが本書です。
考えてみると「優しさ」というのは、教えることができないスキルです。しかし、優しさが込められた行動=気づかいであれば、やってみることができます。優しさがどういうことかがわからなくても、まずは真似からはじめてみることで、これまで知らなかった「優しさ」にも気づけるかもしれません。

著者:ANAビジネスソリューション
出版社:KADOKAWA
出版日:2015年12月11日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/864

ビジネスは、合理的なだけでは上手くいかない

「やさしさ」という技術
賢い利己主義者になるための7講


データや事実などの根拠、投資をして利益が回収できるのか・・・などなど、ビジネスではとかく「合理性」が求められます。しかし、それだけではダメだと警鐘を鳴らすのが本書。意思決定をする際には合理的な判断+優しさが必要だと説いています。
高い収入や名声を得ること、つまり自分自身を高めることが成功のノウハウであるという声が多い中で、他者に対して為す行為こそが重要だという理論は、異色のもの。これまでのやり方で上手くいかなかったのなら、ぜひ一度、読んでみてください。

著者:ステファン・アインホルン著、池上 明子訳
出版社:飛鳥新社
出版日:2015年12月11日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/832

自分を守るための「優しさ」は、自分も他人もダメにする

「やさしさ」過剰社会
人を傷つけてはいけないのか


最近、部下を叱れない上司が増えていると聞きます。いわく、「部下に嫌われたくない」からだといいます。相手を傷つけないという優しさにも見えますが、部下にとって貴重な成長機会を奪っており、本当の意味で相手のためを考えていない、自己満足の優しさだといえます。
家庭でも職場でも、こうした上っ面のやさしさが溢れていることに疑問を投げかけるのが本書です。自分や他人を守る・甘やかすのではなく、あえて厳しいことも言う「本物の優しさ」とはどんなものなのか―自分の身を振り返りながら、一緒に考えてみませんか。

著者:榎本 博明
出版社:PHP研究所
出版日:2016年11月29日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/1102

いつも相手より、一段下の位置にいるようにすると楽になる

なぜ、この人と話をすると楽になるのか


著者はニッポン放送の人気アナウンサー。でも実は、相手の目を見て話すこともできなかった「コミュ障」だったといいます。そんな彼が編み出した会話術は、自分を優位に立たせないこと。相手に気持ちよくしゃべってもらうという方法でした。
いきなりプレゼンをしてみるといった荒治療もなく、コミュニケーションが苦手だった彼が、誰とでも楽しく話せるようになったという経験に裏打ちされたコツは、誰にでも取り組みやすくできていて、説得力も抜群です。

著者:吉田 尚記
出版社:太田出版
出版日:2015年02月06日
詳細はコチラ→https://www.flierinc.com/summary/690

記事作成:宮本 雪

本の要約サイト フライヤー

本連載は、1冊10分で読めるビジネス書の要約サイト「flier(フライヤー)」の記事をもとに再構成したものです。

フライヤー

ノマドジャーナル編集部
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