Amazonせどりをご存じですか?手っとり早く立ち上げられることから、副業でAmazonせどりを行う人が増えてきているようです。中には社内でチームを組み、組織的にAmazonせどりを行う会社も出て来ています。今回は、副業としてのAmazonせどりを検証してみます。

■Amazonせどりとは何か?

Amazonせどりとは、文字通りAmazonを使ったせどりです。せどりとは、三省堂の大辞林によると、「同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人」となっています。Amazonせどりとは、何らかのモノを安く仕入れてAmazonで販売して利益を得る行為です。Amazonせどりを行う人を、俗にAmazonせどらーと呼んだりもします。

Amazonせどりの歴史はAmazonマーケットプレイスの誕生と共に始まります。個人などが手元の商品をAmazonに出品し、販売を行えるマーケットプレイスは、誕生からまたたくまに世界に広がり、多くの出品者がひしめく超巨大取引市場となりました。初期のAmazonせどらー達は、Amazonの原点である書籍販売から軒並みスタートし、多くは街中の古書店から古本を安く仕入れてAmazonで販売し、利益を得ていました。現在までにAmazonせどらーの取り扱い品目は本、DVD、ゲーム、フィギュア、家電製品、電子機器、アパレル・ファッション、食品等々、Amazonが取り扱うものであればほとんどすべてに及んでいます。

■海外のAmazonやEbayから輸入するケースも

初期のAmazonせどらー達は主に国内でモノを仕入れて国内のAmazonで販売していました。ところが、最近はアメリカ、カナダ、ヨーロッパのAmazonやEbayなどからモノを仕入れ、国内のAmazonで販売する海外Amazonせどりが一般的になってきました。

海外Amazonせどりのやり方ですが、基本的には国内のAmazonせどりと同じです。まず、日本のAmazonと海外のAmazonやEbayに出品されている同じものの価格をチェックし、価格差のあるものを見つけ出します。価格差のあるものが見つかったら仕入れて日本のAmazonで販売します。価格差から海外からの送料、Amazon手数料などを差し引いた利益が確保できれば成功です。一般的には、多くのせどらーが10-15%程度の最終利益を得ているようです。

■本格的な立ち上げには相応の運転資金も

なお、Amazonせどりの仕入れは通常、クレジットカードで行います。そのため、仕入れが増えて来るとクレジットカードの利用限度額の拡大が必要になったりします。また、当然ながら仕入れが増えると決済用の現金もそれなりに必要になります。さらに、ある程度の規模になってくると外注業者との連携が必要になったりと、それなりに組織化する必要も生じてきます。

私が見たところ、Amazonせどりは着実に行えば確実に利益が出せるように見えます。一方で、Amazonせどりの作業自体は単純なのですが、この単純さが問題で、単純な仕事を延々と繰り返すのを苦痛に感じる人には相当辛い仕事になると思われます。

アメリカの著名Amazonせどらーのセス・クニープ氏によると、Amazonで普通に売られている商品を他から仕入れて販売するだけでは得られる利益に限界があり、大きく儲けたい場合は自社のプライベートブランド品を販売するべきだと主張しています。同氏によると、Amazonでは価格50-70ドル程度の消耗品が狙い目で、例えば文房具などのノーブランド品を見つけてOEMで生産し、自社ブランドを付けて販売するのがおススメだそうです。確かに、ある程度経験を積んだAmazonせどらーのほとんどが、最終的にはメーカーの専属代理店となるか、自社ブランドを販売することを目指しています。

ということで、Amazonせどりと言えども、大きく売上げ、大きく稼ぐためにはそれなりの努力や投資が必要なのは間違いないようです。お小遣い程度の小銭が稼げればいいやという程度では、まさしくお小遣い程度しか稼げないでしょう。Amazonせどりの世界においても、やはりタダのものは存在しないようです。

記事制作:
ジャパンコンサルティング合同会社
代表 前田健二

ノマドジャーナル編集部
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