副業に並んで今注目が集まっているのがフリーランスという働き方。そもそもフリーランスってどういう意味か?具体的にどういう人たちがフリーランスになっているのか?類似の概念はなんなのか?考えてみたいと思います。

フリーランスについて簡単に紹介

フリーランスとはそもそもどのような意味なのでしょうか。

フリーランスの意味を簡単に説明すると、企業や組織に属さずに個人として仕事を請け負う人です。

つまり自分の得意な分野で個別に契約をして仕事をしていれば、誰でもフリーランスになれるのです。そのためにフリーランスとひとことで言っても様々な職種の人がいますし、収入も人それぞれで、おこづかい稼ぎとして行っている人もいれば、フリーランスとして生活している人もいます。

フリーランスは個人で仕事を請けているわけですから、営業も製作もあらゆることを自分で行わなければならない大変さはありますが、仕事を選ぶことができますし、たくさん仕事を受ければそれだけ収入があがるのがフリーランスのメリットだと言えるでしょう。

日本でもフリーランスは注目されている

日本では学校を卒業したら正社員として働くというイメージがあるかと思いますが、近年ではフリーランスで働く人も増えてきました。

ランサーズの調査によれば、日本でのフリーランスは2016年には1000万人を突破。2015年よりも17%もフリーランス人口は増加しました。それだけフリーランスという働き方は注目されており、これからも増えていくことが予想されます。

フリーランスの4分類と年収や生活イメージ

フリーランスとひとことで言っても4つの分類があるのをご存知でしょうか。ここではランサーズが発表したデータに基づき、それぞれのフリーランスのタイプとそれぞれの年収や生活についてご紹介します。

副業系すきまワーカー

副業系すきまワーカーとは正社員など主に収入を得る仕事を持ちながら、空いた時間で仕事をするというフリーランスです。最近では正社員であっても副業が許されるところも増えてきていますので、こうした働き方は今後も増えていきそうです。副業であるため、ほとんどの人が10万円未満の年収です。すきま時間を見つけて仕事をする生活ですので、おこずかい程度が限界だと言えます。

複業系パラレルワーカー

「副業」とは違い「複業」ですので、さまざまな仕事をこなしていくフリーランスです。アルバイトを複数かけ持つのも、このタイプだと言えます。こちらの場合、受ける仕事の単価や量によって大きく収入が変わりますので、10万円未満、10~50万円、51~200万円がほぼ同じ割合でいます。200万円以上稼いでいる人も約20%ほどいます。

自由業系フリーワーカー

自由業系フリーワーカーというのはいわゆるプロフェッショナルで、特定の勤務先は持たずに働いている人たちのことを言います。年収の割合は「複業系パラレルワーカー」とほとんど変わりませんが、年収全体のフリーランスの収入の割合は55%と高くなっています。

自営業系独立オーナー

個人事業主や法人経営者として働いており、フリーランスとしての収入は76%となります。年収も200万円以上が31%、400万円以上が28%と年収が高い人の割合が多いのが特徴です。ここまで来るとフリーランスよりも経営者という呼び名の方が適切かもしれません。

海外のフリーランス事情

日本のフリーランスが増えていることについては前述しましたが、海外のフリーランスの事情はどのようになっているのでしょうか。ここでは海外のフリーランス事情についてご紹介します。

アメリカでは5500万人のフリーランスが活躍中

upworkが発表した”Freelancing in America 2016″のデータによれば、2016年のフリーランス人口は5500万人で全労働者の35%と言われており、今後、2020年には全労働者の50%になるとも言われています。こうした働き方がアメリカでも増えてきているのはまちがいありません。

欧州でもフリーランス人口は増加中

欧州でのフリーランス人口も多く、フリーランスという働き方について好意的に捉えられています。そのため、今後ますますフリーランス人口が増えていくことが予想されます。実際にEUでは”Independent Professionals”(独立した専門家)が2004年から2013年の間に45%も増加したと言われています(“Future Working: The Rise Of European’s Independent Professionals”)。

フリーランスの語源って?

フリーランスの語源はご存知でしょうか。英語だと”freelance”と書くので、そのまま直訳すると「自由な槍」なのですが、槍というのは中世の槍騎兵(lancer)をさします。彼からは戦争ごとにそれぞれの傭兵団と契約して戦争に参加していました。そこから近世に入り、組織を離れて働くという意味に転じました。

フリーランスの類語ってあるの?

フリーランスにはさまざまな類語があります。ここではそれぞれの類語が何を指しているのか説明します。

インディペンデント・コントラクター

個人事業主や法人化した個人のことであり、業務単位で仕事を請け負う人のことをさします。「雇わない、雇われない」働き方として注目されており、専門性の高い仕事を複数の企業から請け負っている人が多いです。インディペンデント・コントラクターについては『「インディペンデント・コントラクター」:新しい働き方の用語解説』でも説明しておりますので、合わせてご確認ください。

アグリゲーター

アグリゲ―タ―とは「集める人」という意味であり、人材や資源などさまざまなものを集めて業務を行い、成功させる人をさします。こうした役割の人はフリーランスだけとは限りませんが、今後は企業に属さないアリゲーターが増えていくことでしょう。

スーパーテンプ

スーパーテンプとは派遣されるハイクラス人材です。現在の派遣社員は会社に派遣され、会社に合わせなければなりませんが、スーパーテンプは会社を動かす側になります。こうしたハイクラス人材も企業に属さない時代が来ると言われています。

ソロプレナーとサイドギガー

ソロプレ―ナーはフリーランスとして週35時間以上働いている人をさし、サイドギガ―は週15時間以上をフリーランスとして働いている人をさします。サイドギガ―を含め、こうした働き方はますます増えていくことでしょう。『「ソロプレナー」と「サイドギガー」とは?海外のフリーランス事情』でも詳しく解説しているのでご確認ください。

ナレッジワーカー

「ナレッジ」とは「知識」を意味していますから、ナレッジワーカーとは知識で企業に貢献する労働者のことです。知識を持つ労働者がますます評価される時代が来ますので、そうした方は企業に属さずに働くようになる事でしょう。

まとめ

フリーランスは日本でも世界でも注目の働き方です。ますますこうした働き方は増えていくことが予想されます。そうした時代の変化に乗り遅れないためにも、自分たちの専門的な知識を高めておく必要がありそうですね。

記事作成/ジョン0725