PGF 生命の「人生の満足度に関する調査 2016」によると、報酬に対して満足していると答えた人の割合は約29%でした。満足できていない人の方がはるかに多いということになります。こうした場合、副業をしたいと考える正社員の方もいるかもしれません。しかし、正社員が副業をすることは可能なのでしょうか。バレやすい副業バレにくい副業とあわせて解説します。

副業が禁止な会社、OKな会社

副業の定義

「副業」という言葉の定義は明確ではありません。しかし、一般的には本業とは別の仕事で収入を得ている場合、副業とみなされます。

一口に副業といっても、お小遣い程度のものから、本業と同等あるいはそれ以上の収入を得ることができるものまでさまざまです。正社員として勤めている会社と別に勤務している場合や、個人で報酬を得るといった形態の違いもあります。

会社によっては副業が禁止?

「正社員の副業」というと、本業を疎かにしたり会社への忠誠心にかけたりしているなど、どこか後ろめたいイメージがありますが、働き方が多様化している現代では、副業を認めている会社もあれば、むしろ副業を推奨している会社もあります。しかし、古い体質の会社では、やはり副業を禁止しているケースが多いのが現状でしょう。

副業を禁止している会社の場合、就業規則に明記されているのが一般的です。会社が副業を禁止する主な理由としては以下のようなものがあります。

本業への支障

副業をすることにより休息時間などが失われ、睡眠不足や体調不良などをおこし、正社員としての仕事を十分にこなせなくなる。

情報漏えい

競合他社の仕事などを副業とした場合は企業秘密など情報が漏れてしまう危険性がある。

会社の信用を損なう危険性

副業の種類により、会社自体のイメージダウンになる可能性がある。

その他

副業の収入の方が多い場合は正社員として勤めている会社を退職してもよいと考えるケースもあるでしょう。いずれにしろ、会社目線で考えると、社員が副業を行うことはデメリットの方が多いといえます。就業規則を破って副業を行った場合、戒告、減給、出勤停止や解雇となるケースも存在するため注意が必要です。

副業は住民税でバレる?

副業はコレでバレる

「副業はしたいが、会社にバレるのは嫌だ」と考える方も多いでしょう。副業が会社にバレる理由にはさまざまなことがあげられます。たとえば、人目につくような副業をしていた場合、知り合いに見られてしまうということもあるでしょう。また、気をつけていたとしても、税金関連のことでバレてしまうケースもあります。たとえば、副業分の住民税の徴収を特別徴収にしてしまうと、副業分で増額された住民税の通知が会社に行くため、副業がバレる可能性があります。

副業と税金の関係

「副業の収入は隠せる」と考える方もいるかもしれません。しかし、副業といえども収入である以上、一定額を超えると確定申告が必要となります。該当要件は下記になります。

  • 一つの会社から給与を得ているが、給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える
  • 二つ以上の会社から給与を得ており、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える

この際に気をつけなければいけないのが、住民税の支払い方法です。通常、会社員の住民税は「特別徴収」となっており、給与から天引きされます。この住民税が給与から考えられる税額よりも多くなった場合、会社に副業を疑われる可能性があります。会社にバレないためにも申告時には「普通徴収」とすることを忘れないようにしましょう。

会社にバレやすい副業

バレやすい副業

副業をしてみたいけれど、会社にバレるのではないかと心配している方も多いのではないでしょうか。副業にアルバイトやパートなど給与所得を得る仕事を選んだ場合は、会社にバレやすくなります。また、人目につきやすい仕事の場合、同僚や知人などに見られることでバレるケースもあるでしょう。以下にバレやすい副業の一例をあげます。

  • 会社員
  • 飲食店従業員
  • コンビニ従業員
  • 建設作業員
  • イベントスタッフ

給与所得はバレやすい

給与所得とは、勤務先の会社から給料や賞与として受け取る所得のことです。2カ所以上から給与をもらっている場合は「主たる給与(「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している会社からの給与)」と「従たる給与(主たる給与以外の給与)」に分けられますが、これらは給与所得として合算されるため、市町村から会社に住民税が通知されることによりバレてしまう可能性が高くなります。

会社にバレにくい副業

バレにくい副業

会社にバレにくい副業は、個人で行うビジネスです。自宅などで1人でできる仕事のため人目につくことがありません。報酬が給与所得ではないことも、会社にバレにくい一因です。以下に例を挙げます。

  • FX
  • アフィリエイト
  • クラウドソーシング
  • ネットオークション

給与所得とならない副業はバレにくい

アフィリエイトやネットオークションなどで得る報酬は、雑所得に該当します。雑所得は、給与所得など、ほかの所得と合計して総所得とみなされます。しかし、住民税を普通徴収とした場合、税金は本業の給与所得とは分けて納められるため、税金の額から会社にバレるという問題は起こりにくいでしょう。

また、個人でできるビジネスの場合、決められた就業時間がなく、スキマ時間を有効に利用して効率よく副収入を得ることも可能です。そのため、疲労などから本業に支障をきたすおそれも低く、その点でもバレにくいといえます。

まとめ

仕事に対する考え方は大きく変化しつつあり、新しい働き方が注目を集めています。ダブルワークやパラレルワークなどという言葉を耳にする機会も多くなってきました。しかし、法律的には可能なはずの副業が、就業規則により禁止されている会社が多いのも現実です。

就業規則で禁止されている場合、会社に副業が見つかることにより、解雇など、よくない結果を招くこともあります。副業を考えるのであれば、会社にバレにくい副業を選び、バレないような対策をとることがポイントとなるでしょう。

執筆者:日向 あおい

ライター。公務、日本語教師などを経てフリーに。金融・IT関連のメディアを中心に、記事作成から編集・webディレクションなどさまざまな分野で活動中。