前回は人気ブロガー・イケダハヤト氏のブログをもとに、地方への移住・地方での仕事を成功させるコツについて考えてきました。地方の仕事を軌道に乗せるうえで、特に現地住民との人間関係が重要であることを、イケダ氏は力説しています。

 

「田舎・地方への移住」で失敗しないための6つのポイント。

http://www.ikedahayato.com/20151102/46542451.html

(イケダハヤト氏ブログ「まだ労働で消耗してるの?」より)

 

知らない土地に移住するというのは、それなりの心構えを要することです。仕事(事業)を始める場合、その地方の特色に応じたやり方をしなくては成功しません。また生活全般においても、移住先の慣習をよく理解して活動する必要があります。こうした「地域の特色・慣習」を理解するためには、現地住民との円滑な関係が欠かせません。現地の人を味方につけ、協力者になってもらうことこそが、地方の仕事を成功に導くカギなのです。

 

今回は移住先での人間関係構築について、さらに深く考察します。加えて移住先選定のポイントについても触れてみたいと思います。

キャラクターを作る

地方移住を成功させるうえで、イケダ氏は「キャラを作る」ことが大切だと述べています。これはテレビや芸能界でよく使われる言葉であり、特にタレントにとって重要な能力とされています(AKB48などを見ても、ただカワイイ女の子が売れるわけではなく、自分の個性を上手く売り込んでいるアイドルが成功していますよね)。

この「キャラ作り」こそが、移住先での人間関係構築にも重要だというのです。

 

なぜ地方に移り住むからといって、そんなことが必要なのでしょうか?

それは知らない土地に移住する場合、現地での新たな人脈をゼロから形成していかねばならないからです。その土地において「よそ者」であるあなたが、現地人の協力を得るためには、彼らとの円滑な関係が欠かせません。あなた自身のことを知ってもらい、仲良くなってもらい、味方になってもらう必要があるわけです。

 

もし、よそ者のあなたが「キャラクター(個性)にとぼしい」人物だったら、現地住民との関係を作ることはできません。あなたのことを理解してもらうことはできませんし、警戒・敬遠されてしまうことだってあります。

「こんど都会から引っ越してきたのは、なんだかよく分からない人だな」

こんな風に思われてしまっては、新天地での人脈形成はおぼつきません。だからこそ、あなたの「キャラクター」を作り、現地の人たちに自分を売り込んでいく必要があるのです。

現地で自分を売り込む

あなたのキャラを売り込むといっても、決して難しいことではありません。

現地の人々と積極的に交流し、あなたがどんな人間なのか、その土地に移住してなにがしたいのかを伝えていけばいいのです。そうやって「自分を伝える」作業を地道に繰り返していくうちに、ひとり、またひとりとあなたの周りに人が増えていくでしょう。そしてその中から、地方での仕事をサポートしてくれる人も出てくるはずなのです。

 

現地の人と道ですれ違ったとき、「なんだアイツ?」と思われているようではまだまだです。

「おお、アイツが来たぞ!」と手を振ってもらえるくらいになれば、あなたというキャラクターの売り込みは成功していると言えるでしょう。

まずは「地方都市」への移住を

地方移住においては、移住先の選定も重要な要素です。土地それぞれのカラーがありますし、あなたの性格や、やりたい仕事との相性もあります。自分のビジョンを実現するうえで、最適な場所を選ぶべきなのは言うまでもありません。

 

そしてイケダ氏は、移住先の選定についても興味深い主張をしています。

「地方に移住するなら、地方都市に移住すべき」というのです。

つまり「地方」をひとくくりにするのではなく、「地方都市」と「村落」(注)に分けて考えるべきだと提唱しているわけです。

 

(注)村落……都市より人口が少なく、第1次産業が中心となっている地域社会のこと。農村、山村、漁村などに分類される。

 

さすがは人気ブロガーのイケダ氏というべきか、この指摘は移住先の選定において非常に重要なポイントです。

地方移住を考えるとき、多くの人が「地方」というものをひとくくりにしてしまう傾向があるのは、否めないところでしょう。しかしひと口に地方といっても、県庁所在地のあるような都市に行くのと、山間部の集落に行くのでは、まったく意味が違ってきます。イケダ氏はこの「地方都市と村落の違い」をしっかり押さえた上で、移住先を考えるべきだと主張しているのです。

 

そして結論からいうと、イケダ氏はまず「地方都市」への移住を勧めています。

村落の住民は、移住者を受け入れる準備ができていないため、移住者が溶け込むにはハードルが高い面があるのは否めません。その点、地方都市であれば、他県出身者が当たり前のように行き交いますし、移住者も土地にスムーズになじめます。

よって山村や漁村での生活にあこがれる人も、まずは最初のステップとして地方都市へ移住し、慣れたところで村落への移動を考えるべき――イケダ氏はこう主張しているのです。

 

以上、イケダハヤト氏のブログから、地方の仕事を成功させるコツについて見てきました。

 

  • 土地のトラブルを未然に防ぐ(特に農業の場合)
  • 自分のキャラを売り込み、現地での人間関係を構築する
  • 地方移住は地方都市から始めるのが無難

 

地方移住を考えるにあたっては、こうした内容をぜひとも記憶にとどめておきたいところです。

 

記事制作/欧州 力(おうしゅう りき)