副業の色々な方向性について、ここまで講師系・接客系の仕事を見てきました。

今回は3つ目のパターン、運輸系・肉体労働系の副業を考えていきたいと思います。 

副業のパターン 3.運輸・肉体系

運輸系の仕事や肉体労働は、ハードな仕事もありますが、それに応じた高収入が期待できる分野でもあります。

運輸系の仕事の代表的なものとしては、運転代行・引越し・ポスティングなどがあります。ヒトやモノを運ぶ仕事ですから、責任が重いのはもちろん、それなりの体力が求められます。特に引越し業務は副業としては最も腕力を要するもののひとつでしょう。またポスティングの仕事は、やはり足腰の強さが必要ですし、必要な枚数を配布するには土地勘や要領のよさも求められます。

そして近年、運輸系の副業として注目を集めているのが、運転代行業です。飲酒運転が厳罰化されたことに伴い、ニーズが増えてきています。週末の夜に需要が集中するため、この時間に集中して稼ぐことも可能です。ただしお客の車を運転する場合は、第二種運転免許が必要になるので注意しましょう。

 

一方、肉体労働系の仕事としては、工事現場作業・交通誘導・清掃などがあります。工事現場などでの仕事は、それなりに腕力・体力に自信がなければ務まりません。特に真夏の日中の仕事は過酷であり、熱中症などにならないよう気をつける必要があります。また交通誘導員も屋外での作業なため、季節や天候の変化の影響をダイレクトに受ける点は共通しています。暑さ・寒さに対応できる、心身の強さが求められる仕事です。

その点、清掃は多くが屋内(オフィスビルなど)での業務なので、季節や気候の影響は受けにくいメリットがあります。とはいえ、場所によってはトイレなどが非常に不潔だったりすることもあります。清掃の仕事とはこういうものだと割り切って取り組むことも必要でしょう(あまり潔癖な人には、向いていないかもしれません)。

 

この様に、運輸・肉体系の仕事は、心身ともにタフネスが求められます。さらに仕事によっては一定以上の腕力や、屋外での作業に耐えることが必要です。もちろんハードな仕事ほど収入もよくなる傾向はありますが、副業として行う以上、本業に支障をきたさないよう自己管理しなくてはいけません。稼げるからといって、無理に仕事を入れることは厳禁です。

また運輸系の仕事の場合、たとえば運転代行のように、所持する免許によって仕事の幅が広がることもあります。長期的に取り組むのであれば、必要な免許の取得を視野に入れてもいいでしょう。

チップがもらえることも!

それではここから経験者の具体的な話を参考にしていきましょう。

ここでは運転代行の体験談をご紹介します。

 

「運転代行」のお仕事体験談

https://www.baitoru.com/contents/taikendan/substitutedriving.html

(「ディップのバイト情報 バイトル」より)

 

副業として運転代行の仕事をしている、サラリーマンの方の体験談です。

運転代行のニーズが集中する週末の夜にしぼって、効率よく稼いでいるようです。

彼は運転代行業の魅力を、こう語ります。

 

「お客がないときには、車のなかでぼーっとしていても時給が付くので、すごく得です。夜道はたいてい空いているんで、車を走らせていても楽しいですよ。

それと、たまにおつり分の端数の数百円をチップとしてもらえることもあります」

 

お客を乗せなくても基本時給がつくほか、チップがもらえるなど、金銭的にはうま味も大きいようです。

そしてもうひとつ重要なのは、この方が車の運転そのものを、純粋に楽しんでいる点です。どんな仕事もそうですが、ただ「稼げる」というだけでは長続きしません。ましてや昼の仕事の後の副業となると、心身ともにハードな面もあります。だからこそ「やっていて楽しい」と心から思える仕事こそ、副業として末永く取り組めるのです(どうせ車を運転するなら、ドライブが好きな人の方が向いていますよね)。

免許で仕事の幅を広げる

また運転代行の仕事は、所持する免許によってできる仕事の幅が違ってきます。

 

「バイトを始めたときには普通運転免許(一種)しか持っていなくて、センター車しか乗れなかったんですけど、やっぱり必要でしょ、ということで二種を取って客車にも乗れるようになって、時給もその分あがりました。

この免許があれば、将来タクシー会社に転職もできるんですよ。 今の世の中、何があるかわからないですから」

 

運転代行でハンドルをにぎる車は、客車(お客の車)とセンター車があります。

センター車というのは運転代行業者の車で、行きは客車について行き、帰りに客車のドライバーを乗せて戻ってくるのが仕事です。センター車の運転だけなら、第一種免許だけで可能です。

それでもこの体験談の方は、より仕事の幅を広げるため、新たに免許(第二種免許)を取得しました。客車の運転も担当できるようになれば時給も上がります。さらに将来的には、免許を生かしてタクシー運転手への道も開けるわけです。

 

彼の様に、副業に対しても(できる範囲で)前向きに取り組み、仕事のステージを上げていくことができれば理想的といえます。新たな免許・資格によって将来の選択肢を広げることも、より堅実に稼いでいくうえではプラスになるでしょう。

 

記事制作/欧州 力(おうしゅう りき)