これまで、米国のインディペンデントワーカーの実態及びトレンドを見てきました。また、米国の動きから日本も同様になっていくだろうとの予想をしました。

では、彼らインディペンデントワーカーが働く場所として活用することが多くなっているコワーキングスペース(以下コワーキング)の動向どうなっているのでしょうか。

今回から、数回にわたって世界・米国のトレンドを中心に見ていきたいと思います。

コワーキングスペースの数、会員数の伸び

まず、世界のコワーキングスペース数のトレンドを見てみましょう。

米国のデスクマグ社とエマージェント・リサーチ社の調査によると、世界のコワーキングスペースの数は2013年で3000カ所を超えており、2006年からの推移見ると、非常に高い伸びを示していることが分かります。

同様に、世界コワーキングスペースの会員数の推移をみても、非常に高い伸びを示しており、2013年には16万人を超える規模に達しています。

キーワード検索で見る、世界に広がる「コワーキング」

ここで、コワーキングという用語が世界でどのように広まっているのか、興味深い分析をデスクマグ社の調査結果があったのでご紹介したいと思います。

グーグルトレンドを用いて「coworking」というワードが世界でどのくらい検索されるようになったのか、時系列、及び地域別にまとめられています。

まず最初に上のグラフを見てみましょう。「coworking」というワードの検索トレンドを見てみると、2007年から検索されるようになり、2011年頃から伸びが加速しています。その後、波はあるものの大きなトレンドとしてcoworkingへの関心が世界的に高まっていることが分かります。

次に、下のグラフを見てみましょう。ここでは、2013年4月~2015年3月の2年間でcoworkingというワードの検索ボリュームの多かった国の順位が示されています。この中でトップの国がスペインで、次いでロシア、イタリア、ウクライナ、日本の順になっています。都市別では、バルセロナ(スペイン)、モスクワ(ロシア)、バレンシア(スペイン)、マドリッド(スペイン)とスペインの都市が上位を占めています。

このように、コワーキングへの関心が、米国や日本だけでなく、新興国も含めた世界に広がっていることが分かります。

日本でのコワーキングの関心トレンド

ちなみに同様な検索トレンドで日本の場合を見ると、2011年から関心が急激に高まったことが分かります。確かに、この時期にコワーキングに加え、「ノマド」という言葉も流行った時期と重なっていると思います。

2013年頃からは、多少、波があるものの一定の水準で関心がもたれていることが分かります。この頃から「コワーキング」が定着してきたといえるのではないでしょうか。

国内の都市別に関心度を見ると、単純に人口が多いということもありますが、やはり東京都内が中心に、札幌、横浜、大阪といった大都市での関心が高いということがわかります

ウィキペディアでみるコワーキングの世界的広がり

次にWikipediaで、コワーキングが紹介された時期を、言語別に見た分析結果を見たいと思います。英語で最初にWikipedia紹介されたのが2007年12月でした。日本語でウィキペディアに紹介されたのは、2010年の1月でした。

最近では2013年にタイ語で、2014年にカザフスタン語、スロベニア語、アラビア語で紹介されるようになっています。

実際にコワーキングスペースがそれらの国・地域に存在するかどうかは別として、新興国にも関心が広がっていることが良くわかります。

世界的にSOHOは下火に?

ちなみに、SOHO(Small Office/Home Office)という用語の検索トレンドでCoworkingとどう違いが出るのか、比較をしてみましょう。以前は、フリーランスの働き場所といえば、SOHOが定番でした。しかしキーワード検索のトレンドを見ると、SOHOは下火となり、Coworkingに追い越された形となっています。SOHOがなくなったわけではありませんが、関心がCoworkingへとシフトしていることが分かります。

世界的なトレンドからコワーキングスペースを考える

このように、コワーキングは世界的に関心が高まっており、新興国も含めて関心の対象となってきていることが分かります。

日本国内でみると、コワーキングが2011年頃にブーム的に検索されたことが分かりますが、その後、2013年頃から一定の水準で検索されていることからコワーキングが定着してきたようにも見えます。

しかし、世界の広がりという観点でみると、新興国を含め、まだまだ関心が高まる余地があるものと思われます。

また、物理的なスペースとしてのコワーキングも、世界に広まり、件数・利用者もさらに伸びていくのではないでしょうか。

〈参考資料〉

専門家:谷口 賢吾
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方の産業振興政策策定に携わる。02年よりビジネス・ブレークスルー執行役員、BBT総合研究所責任者兼チーフ・アナリストを経て06年に独立。08年法人化(現クリエナレッジ)。リサーチ事業、ビジネスプロデュースなどを手がける。

ノマドジャーナル編集部

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