政府が副業推進を明言するなど、多様な働き方が求められる現代社会。そんな中、オフィスに出社せず仕事をする「リモートワーク」に関心が集まっています。この記事では、そんなリモートワークに活用できるおすすめツールを12個集めてみました。各ツールを活用し、生産性の向上に役立ててみてください。

リモートワークとは何か

リモートワークの概要・特徴

リモートワークとは、簡単に言えば「オフィスに出社せずに、自宅やコワーキングスペースで仕事をする働き方」のことです。リモートワークの他にも、「在宅勤務」や「テレワーク」といった言葉がありますが、どれも大きな違いはありません。

総務省の「平成28年版情報通信白書」によると、日本でリモートワークを導入している企業は2015年末時点で16.2%であり、まだまだ少数派という状況です。

リモートワークのメリット

リモートワークの主なメリットは以下の通りです。

  • 通勤時間の短縮による時間効率のアップ
  • 自宅で子育てや介護をしながら働ける
  • 光熱費等、企業のコスト削減

これまでは優秀な社員であっても、介護や子育て等でやむを得ず退職するケースが多々ありました。リモートワークは、そうした事態における人材流出を防いでくれる働きがあるのです。

リモートワークを導入している企業の中には、株式会社ソニックガーデンのように「当日の状況次第で柔軟に出社するかどうかを判断する」といったユニークな企業も出てきています。

リモートワークのデメリット

リモートワークの主なデメリットは以下の通りです。

  • 勤怠管理の複雑化
  • 密なコミュニケーションが困難

リモートワーク導入で課題になるのが「仕事とプライベートの線引き」。通常であれば出社から退社までが仕事で、それ以降がプライベートです。しかし、リモートワークは仕事とプライベートの線引きが非常に曖昧なため、勤怠管理が複雑になる傾向があります。

ただ、先に挙げた総務省の調査によると、リモートワークを導入した企業の82.5%が「非常に効果があった、ある程度効果があった」と回答しており、「あまり効果がなかった、マイナスの効果であった」と回答したのは1.5%に過ぎません。

こうしたデータを見ると、リモートワークは導入効果の高い働き方と言えるでしょう。

それでは、次の項からは実際に使えるリモートワークツールを紹介していきます。

【連絡・コミュニケーション】向けのツール

チャットワーク

メール、オンライン会議、電話、すべての機能がこのツールひとつでまかなえるビジネス特化型チャットツールです。また、ビジネスには欠かせないタスク機能やファイル共有機能も充実しているため、社内でのコミュニケーションには欠かせません。

  • 使える小技:コンシェルジュサービス

チャットワークでは「チャットワークコンシェルジュ」というコンシェルジュサービスを提供しています。サイト作成や士業の相談、翻訳、予約代行などの優良事業者を紹介してもらえるだけでなく、事業者と直接チャットでやり取りが可能です。

スラック

チャットワークと同じくビジネス型チャットツールです。チャットワークと機能はほぼ同じですが、タスク管理等が基本設定にないかわりに、250以上の外部サービスと連携でき自分の好みにカスタマイズすることが可能です。

  • 使える小技:リマインド機能

自分宛にメンションを送ればスケジュールをリマインドしてくれます。

エアリー

社内コミュニケーションに特化したビジネスSNSです。アンケート機能や提出物管理だけでなく、研修制度とも連携できます。

  • 使える小技:eラーニング研修

ビジネスマナー、PCスキル、その他各種講座をSNS上で利用することが可能です。

アピアーイン

オンラインのビデオチャットツールです。スカイプ等と違ってアカウント作成の必要がないため、誰でもすぐ使えるのが大きな特徴です。

  • 使える小技:画像共有

拡張機能を使えば、自分のモニターから好きなウィンドウを相手に見せることが可能です。

【進捗・プロジェクト管理】向けのツール

グーグルスプレッドシート

グーグルが提供する表計算ソフトです。エクセルと違ってソフト購入の必要がなく、グーグルアカウントさえあれば誰でも利用できます。

  • 使える小技:閲覧・操作制限

ファイルを閲覧・操作できる範囲を設定できます(例:ファイルURLを知っている人であれば誰でも閲覧のみ可能、など)。

トレロ

タスク管理ツールです。まるでホワイトボードに付箋を貼り付けていくような感覚で、「カード(=タスク)」を「ボード」という場所にアップして管理することができます。各タスクは「リスト」の機能を使えば、未着手・着手等の進捗ステータス変更が可能です。

  • 使える小技:期限別カード表示

拡張機能を使えば、新しく作ったカードを期限別に表示できるようになります。締め切り等を確認するのに便利です。

Todist

プロジェクト管理ツールで、スケジュール、タスク、ToDoリストなど管理できます。シンプルなデザインで見やすく、プロジェクト共有やリマインダー設定などが充実しています。

  • 使える小技:テンプレート機能

自分がいつも使っているテンプレートを共有、編集することが可能です。

タイムクラウド

プロジェクトチームの作業時間とタスクを共有・管理できるツールです。誰が何をしているのかをリアルタイムで確認することできます。

  • 使える小技:他ツールとのリンク

チャットワークなど他社サービスとのリンクが可能なので、すでにそれらのサービスを利用している人にとっては非常に使い勝手がよいでしょう。

【ファイル共有・保管】向けのツール

Google ドライブ

グーグルが提供するクラウドサービスで、文書、表、画像、PDF、プレゼンファイル、動画等がグーグルアカウントさえあれば共有できます。

  • 使える小技:スキャン機能

アプリを使えば、スマホで撮影した書類をスキャンして、そのままPDFファイルとして保存することが可能です。

Dropbox

オンライン上でファイルを共有できるサービスです。また、ハードウェアと連携させて必要なファイルのみオンラインとハードウェア両方に保存することもできます。

  • 使える小技:ファイル復元

管理画面から削除済みのファイルを選択すると復元できます。ただ、「完全に削除」を選択すると復元できなくなるので注意してください。

kintone

特別な知識がなくても、自社業務に合わせたシステムが開発できるツールです。プロジェクト管理、コミュニケーション機能、ファイル共有機能などを組み合わせ、自社に最適化したシステムを作ってみましょう。

  • 使える小技:履歴機能

誰がどういう案件を担当し、過去にどういう仕事をしてきたのか、そして誰がどの箇所をいつ変更したのかの履歴を確認できます。

Box

ファイル共有ツールで、通常は専用ソフトを使わなければ見られない100種類以上のソフトのプレビュー表示ができるのが大きな特徴です。

  • 使える小技:boxSync

Box上に保存されているファイルをローカルに反映させる機能で、オフラインでも閲覧や作業が可能です。

まとめ

リモートワークは、各種ツールを使えばオフィス勤務と同等、場合によってはそれ以上の生産性を発揮してくれる働き方です。この記事で紹介したツールや小技の中から自社にマッチしていると思うものを選び、生産性向上を目指しましょう。

執筆者:河内 勝男

会社に勤めつつ2014年から副業を開始。2015年に会社を退職しフリーランスライターとして独立しました。会社員時代の副業経験を活かした記事はもちろん、ライター業以外にサイト運営もしているため、実践的なSEOやコンテンツマーケティングの記事執筆には自信があります。