働き方改革をするには、同じ業種の事例を参考に!
政府が「働き方改革」を進めていますが、それとは別に、独自に働き方改革をすすめている企業があります。それらの企業は、会社の売上アップ、社員の定着率向上といった結果に。
自社でも働き方改革を実施したいと考えているならば、同じ業種の事例を学び、取り入れるのが近道ではないでしょうか。
業種ごとの「働き方改革」取組・アイデア・事例集!
さまざまな業種がありますが、今回はIT企業・製造業・建設業で、働き方改革を行い、成功した事例を紹介します。具体的にどのようなことを行い、どのような結果が得られたのでしょうか。
IT企業の「働き方改革」のポイント
IT企業の働き方改革のポイントは、高い離職率や社会問題になっている労働時間を改善するために、テレワークや多様な働き方の受け入れなどがあげられます。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社は、さまざまな働き方改革を推進している代表的な企業です。IT企業の強みを生かして、業務の効率を計っています。
たとえば交通費の経費。申請された金額が正しいかどうかを、チェックする作業をロボットに記憶させ自動化させるなど、人が手作業でやらなくてもよい作業を効率化しました。
その他にも、コアタイムのないスーパーフレックスタイムを導入したり、在宅勤務可能日数を増やして介護や子育て社員が在宅勤務できるようにしたりということを実施しています。
株式会社ガイアックス
株式会社ガイアックスには、働き方改革を断行し、業績を1年で2倍に伸ばした事業部があります。メンバー一人あたりの負担が大きかったため退職率が高く、新メンバーを迎える採用コストや教育コストがかさんでいました。
事態を打開するために、3ヶ月の間に契約社員を一律正社員にし、全社員の給与を上げ、リモートワークとフルフレックス制を導入。その結果、退職率は38%から8%に下がり、売上2倍を達成しています。
株式会社サイボウズ
多様な働き方の受け入れを目指している株式会社サイボウズの働き方改革。
育児・介護休暇は最長6年間も取れるように。またライフステージの変化に合わせて、勤務時間や場所を選べるようにし、短時間で働いたり、オフィスではない場所で働くことを可能にしています。
おもしろいのが「育自分休暇制度」。35歳以下で転職や留学など環境を変えるために退職する人が、最長6年間は復帰が可能という制度です。
ワークスタイルの変革を行った結果、会社を去る社員が減り、結果的にコスト削減につながっています。
製造業の「働き方改革」のポイント
製造業の働き方改革のポイントは、長時間労働の是正です。長時間残業が常態化し、早く帰りたくても返れない風土が問題になっています。
残業禁止にすることで勤務時間内にしっかりと働き、生産性を向上させた例もあります。
ブラザー工業株式会社
20時以降の残業を届け出制にし、長時間労働を減らしたのが、ブラザー工業株式会社です。それまでフレックスタイム制を利用していたことが裏目に出て、深夜までの残業が定常化していました。
育児と両立ができないという女性社員の声もあり、コアタイムを朝9時半~14時までと前倒し。導入した結果、22時以降の深夜就業は95%減少。サービス残業を見逃さないシステムも導入し、徹底的に深夜残業を減らすことに成功しました。
建設業の「働き方改革」のポイント
週休2日すら実現できていない建設業は、ゼネコン33社が「週休2日推進本部」を結成し、本格的に働き方改革を進めています。
慢性的な人手不足を解消させるポイントは、AIロボットなどの導入。
清水建設株式会社
現場にAIロボットを導入し、長時間労働を是正しようと取り組んでいるのが清水建設株式会社です。足りていない人手を補うために、自律型ロボットで溶接、天井、輸送作業ができるシステムを開発しました。
ロボットはAIやIoTの技術で、所在位置や施工対象物を認識しながら稼働。2018年には関西地区の高層ビルで実際に導入し、今後増やしていく計画となっています。
共通して取り組める「働き方改革」のポイント
ここで取り上げることができなかった業種でも、共通して取り組める働き方改革のポイントは、長時間労働を無くして生産性を向上させる改革、そして働き方の多様性を受け入れる制度づくりです。
これらは結果的に社員の満足度を向上させ、人材の流出を防ぎ、さらに生産性を向上させることができます。
大企業でなくても小さな企業でも成功事例はたくさんあります。まずは自社が取り組めることから始めることが大切なのではないでしょうか。