ソフトバンク、リクルートを経て、多くの営業組織をみてきた営業ノマドによる連載第二回です。営業に必要なツールはたくさんあると思いますが、最も大事にすべきツールとはなんでしょうか?今回は売れる営業に一番必要なマインドについて解説していきます。

「確信」という営業ツール

顧客を購買に導くトーク技術、顧客の思考を見抜く洞察力、軽いフットワークと足腰の強さ、つくり込まれた綺麗な企画書、顧客の購買意欲を高めるサンプル品・・・

営業に必要なツールはたくさんありますが、最も大事なものは実は営業担当者の心の中にあります。それは「確信」でしょう。もう少し具体的にお伝えすると、「顧客が自分の商品を買う理由を心の底から確信できている」ということです。

営業経験者であれば、「商品とその提供者である私の営業が、お客様にとって必要だ!」という確信が持てたとき、商品が飛ぶように売れたという経験があるのではないでしょうか?

営業で「確信」が必要な理由

人の感情は表情、しぐさ、話し方などに顕著に現れると言います。例えば、よく嘘をつく人間は早口になるなどと言われます。よって、営業トークでいくら感情を繕おうとしても、「顧客が自分の商品を買う理由を心の底から確信」していなければ、ネガティブなイメージは顧客になんとなく伝わってしまうものです。

確信を持っている営業は強い。トークがどれだけ拙かろうと、「この商品はあなたのためになります」とあらゆる手段を使って伝えようとします。顧客にとって、本当に役立つのかはわからなくても、営業担当者自身がそれを確信していることは伝わります。

顧客が商品のことをあまり理解していないことも少なくはありません。そんなときも(顧客が営業担当者に信頼を寄せていることが前提)確信をもって提案する営業を信じて顧客は契約書にハンコを押します。

確信が無い営業は最終的に崩れてしまうことも多いようです。巧みなトークを展開していても、一つ二つ意地悪な質問をするだけで崩れてしまうことが多いのです。商品のことをろくに勉強せず、商品に愛着を持たず、商談から一歩離れると「ウチの商品はイマイチ」「どうせウチはダメだ」などと愚痴を言います。そんな営業が売る商品を誰が買いたいと思うでしょうか? そもそも、自分が販売している商品を卑下する発言は、既に商品を使ってくれている既存顧客に対しても失礼です。

どうすれば「確信」を持てるのか?

営業の現場で、どうすれば確信を持つことができるのでしょうか?

すぐにできることは、商品について詳しく知ること。

商品のことを詳しく知れば、商品の良さがさらに大きく見えてきます。そして、商品に愛着が湧いてくるでしょう。商品知識が増え、商品に愛着が湧いてくれば、無意識のうちに「商品とその提供者である私の営業が、このお客様にとって必要である!」という「確信」を持って営業している自分に気づくはずです。確信をもって営業を続ければ、トークやスキルなどの技術は後から必ずついてくるものなのです。

専門家:畠山 和也

ソフトバンク、リクルート、ラクスルにてマーケティング・営業を歴任した後独立。自身が一線の営業として活動するのみならず、顧客のマーケティング・組織まで踏み込んだ施策を実行。メーカー・商社・代理店・小売など30業種以上を担当。顧客規模としても大手から中小まで幅広い経験がある。現在、営業・マーケティングコンサルタントとして6社を担当。成果にコミットしたコンサルテーションに定評がある。

ノマドジャーナル編集部

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