プロボノという言葉を聞いたことがあるでしょうか?ここ数年、余暇活動・社会貢献活動の一環として、日本だけではなく世界でも注目されている活動がプロボノです。プロボノとはいったい何か?プロボノを始めるにはどうしたらいいのか?プロボノの意味から活動方法まで、詳しく解説していきます。

仕事の専門性を生かせるプロボノとは?

プロボノとは新たな社会貢献活動

プロボノ、という言葉はあまり耳慣れないかもしれません。しかし、ボランティアという言葉は聞いたことがあるでしょう。プロボノとは「各分野の専門家が社会貢献のため、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして行うボランティア活動」のことです。例えば弁護士が無料相談を行う、というのもプロボノのひとつですね。

ボランティア活動の一種ですので、当然ではありますが無報酬で行います。報酬を得るのであればそれは副業と同義です。

東日本大震災のときにも活躍

言葉だけだとイメージしにくいかもしれませんので実例をご紹介します。

東日本大震災発生後にプロボノが大活躍しました。震災後、東北地方の商店街や企業は大きなダメージを被りました。そこで復興のため、中小企業診断士の方々が東北へ出向き、無報酬で企業・商店街の復興活動に取り組みました。

この時、費用に関しては全額自分たちの持ち出しだったとのことです。言葉が聞きなれないだけでいろいろなところでプロボノは行われています。

どんなプロボノ活動が行われているのか

世界でのプロボノの広がり

プロボノは日本だけでなく、世界でも大きな広がりを見せています。

アメリカ法曹協会は弁護士に対して年間50時間以上のプロボノ活動を行うことを推奨しています。イギリスでも弁護士事務所やロースクールでプロボノ活動を推進する「プロボノ週間」を設定するなど、プロボノのすそ野が広がるような動きが出てきています。

日本でのプロボノの広がり

NECやゴールドマン・サックスが育児関連のNPOへのプロボノを社内で募っており、日本でのプロボノ拡大の先駆けとなっています。

複数のプロボノをNPOに紹介する団体等も出てきています。例えば「二枚目の名刺」という、オックスフォード大学の卒業生が中心となって立ち上げた団体があります。この団体には経営コンサルタントやメーカーの営業、デザイナーにシステムエンジニア、官公庁職員にベンチャー企業社長などなど、極めて多様な人材が揃っています。活動内容はNPOの経営課題についてなどです。

他にも、本業を持つ社会人がサポートしてる特定非営利活動法人NPOコミュニケーション支援機構(通称a-con)という団体もあります。ここは「プロボノ」ではなく「スキルボランティア」という表現を使っているのが特徴です。こちらにもコンサル・プログラマー・金融・ベンチャーなどのスキルを持った社会人が集まってきています。

ビジネスマンにとってプロボノは良いことづくめ

目的意識が同じ仲間ができる

プロボノはあくまでボランティア活動ですが、ビジネスマンにとっては良いことづくめと言っても過言ではないほどのメリットがあります。

まず、目的意識が同じ仲間ができます。これは同じ会社の出世競争のライバル、というものではありません。同じ目的を持った、利害関係がない仲間ができるという意味です。このような人間関係は非常に希少です。余計なことを考えず、目的の達成だけを考えて行動できるというのはビジネスマンにとって得難い経験になります。

また、このような仲間には会社では話せないような悩みも相談できるし、あまり言えないような愚痴を言うこともできるでしょう。それにより精神的な安定と充実を得ることができます。

自分の持つ本当の力がわかる

自分の持つ本当の力がわかる、というのも大きなメリットです。プロボノは仕事ではない、金銭の絡まない場での活動です。そこでは自分の持つスキルで何ができるのか、それだけが問われます。つまり、自分の能力そのものが問われるのです。

その中で自分の弱点や、自分は周りの人間よりも無力である、ということと真正面から向き合わされる可能性があります。筆者も経験がありますが、この際ショックを受けるかもしれません。しかしそういったものと向き合えることは、自己の成長に繋がります。その意味では大きなメリットと言えるでしょう。

プロボノの経験は本来の自分の仕事に生かせる

プロボノの経験は、本来の自分の仕事に生かすことができます。プロボノでは自分のスキルを活かして活動しますが、会社の中と違いマニュアルはありません。自分のやり方でよいのです。

もちろん失敗することもあるでしょうが、逆に自分のやり方がうまくいくこともあるでしょう。そこで得られた失敗や成功の経験を本来の仕事に持ち帰ることで、仕事のやり方をアップグレードすることができます。プロボノは自分のスキルを活かしたボランティアです。だからこそそこでの経験は自分の本来の仕事とつなげることができます。

プロボノを実践するには?

市報などの広報やホームページから探す

いざプロボノを実践してみようとしても探し方がわからない、という方もいるでしょう。最も簡単な方法は、市報などの広報で探すことです。市報には仕事だけでなく、色々な技術を持った人の募集が掲載されていることがよくあります。

また自治体のホームページ上でも同様に特定のスキルを持った人の参加を募っていることがあります。もし自分の持つスキルに当てはまるものであれば、すぐにでも活動を始めることができます。

プロボノ団体に登録する

もうひとつの方法は、日本で活動しているプロボノ団体に登録することです。先述した「二枚目の名刺」「a-con」の他にも、有名どころだと「サービスグラント」という団体があります。

こちらではスキルやノウハウを提供することでNPOを支援する活動を行っています。支援するプロジェクトの内容によってどんなスキルが必要なのかは変わるため、すぐに活動できるとは限りません。

ですが自分で募集情報を探す必要がなく、かつ確実に自分のスキルを必要としてくれるところでプロボノ活動ができるのはメリットといえます。プロボノ活動をしたい方のための登録制度もあるので、一度ホームページを見てみるのもよいでしょう。

プロボノ団体とのマッチングサイトを利用する

団体に登録するだけでは受け身すぎると思ったら、マッチングサイトを利用するという手もあります。そこではクラウドソーシングと似たような形でプロボノ先を探すことができます。

マッチングサイトではプロボノという名称の他に、クラウドボランティアという名称も使っているようです。まだまだメジャーではありませんが、今後このようなマッチングサイトが徐々に増えていくのではないでしょうか。

まとめ

何をしたらいいのかよくわからないボランティアと違って、プロボノは自分のスキルを使うという強い導線があります。またプロボノは世界でも日本でも大きな広がりを見せてきています。会社外で気兼ねすることのない仲間ができ、自分のスキルアップにも大きく貢献するプロボノは余暇活動にはぴったりです。ぜひ取り組んでみてください。

執筆者:守山 有

2014年からフリーライターとして活動。副業、IT関連、飲食など多ジャンルに渡って多数執筆。勉強の日々ですが、執筆も楽しく充実しています!