「新商品開発が上手くいかない・・・」「既存事業が巨大資本の脅威にさらされている・・・」これらはヒット商品を糧に順調に業績を伸ばしてきたメーカーに共通する大きな悩みではないでしょうか?

今回このような経営者の悩みに応えるために、大手アパレル・商社において、デザイナーとして国内外で活躍したのち、商品企画コンサルタントとして多くの実績を残している川上直之氏に解決策についてお話を聞きました。

ゲーム・チェンジャーによる業界破壊の時代

ゲーム・チェンジャーによる業界破壊時代

異業種からの新規参入で業界構造が大きく変わる、思いもよらない突然の競合出現で自社の基幹事業が脅かされる、そんなことが当たり前の時代になっています。

スマートスピーカーが家電業界を破壊していく

具体的な事例を一つ上げてみましょう。

トレンドに敏感な経営者の方の中にはすでに購入された方も多いでしょう。2017年は、インターネットの巨大企業から相次いで発売されたスマートスピーカー/AIスピーカーが大きな話題となりました。

  • Google Home
  • Amazon Echo
  • LINE Clova WAVE
  • Apple HomePod

いずれも各社の社名を冠した説明のいらない商品であり、Apple以外は家電メーカーではありません。

  • Googleは検索エンジン
  • Amazonはネット通販
  • LINEはメッセージアプリ

全くメーカーとは関係ない企業が家電業界に殴り込みをかけて、家電のプラットフォームになろうとしているのです。

この10年あらゆる業界で異業種参入が当たり前に

スマートスピーカーの事例のような異業種からの殴り込みにより業界が破壊されていくことはここ数年のトレンドではありません。この10年、ルールチェンジと言える大きな出来事なくとも、様々な業界/業種で異業種参入が行われてきました。

  • マクドナルドがカフェメニューを充実させランチとディナータイムの間を取り込み、朝から晩までトータルカバーへ
  • ベネッセが介護施設のM&Aを積極的に行い、介護市場に参入。教育という入り口から介護という出口まで一貫したライフサポートへ
  • ダイソンは掃除機をきっかけに吸引力の先進性に認知を獲得し、扇風機、空気清浄機と商品展開

今や会社の基幹事業がいつ巨大資本を持った企業に脅かされてもおかしくない、大きな時代の流れなのです。

優秀な経営者は怯えるだけではなく仕掛けにいべきと理解している

モノをベースに会社をスケールさせてきたメーカーにとって巨大資本による恐怖は想像を絶するものがあります。量産化によるメリットの大きさを実感しているからです。

このようなトレンドは敏腕経営者であればすでに既知であり、基幹事業でキャッシュを稼げているうちに新規事業をもう片輪で回さなくてはと日々悩んでいることと思います。

危機感はあっても次の10年を作る新しい商品の作り方がわからない

このような破壊と脅威の連続の時代に、危機感や想いはあってもメーカー経営者が抱える悩みは得てして共通で「新しい事業をやりたいがどのように進めて良いかわからない」というものです。

具体的な成功を収めてきた一方で新規事業に失敗するメーカーの経営者に共通する特徴は以下のようなものです。

  • 思いつきて商品を作ってしまって誰に売っていいかわからない
  • 初老に近い幹部社員や経営陣が会議室で考えたアイデアが小売店では全く受け入れられず、特に女性には手にとってすらもらえない
  • 常に商品のカイゼンばかりを考えて「お気付の点をお知らせ下さい」とユーザーの声を集めようとするも批判やクレームしか集まらない
  • 変わったアイデアには常にものづくり思考で考えてしまい、できるわけがないとアイデアの種を潰してしまう

異業種参入する側として勝ち組になるためのポイント

川上直之氏

それでは、メーカーの経営者はどうすれば異業種参入する側として勝ち組になれるのでしょうか?

川上氏は、以下の三つのポイントが重要と言います。

  • 参入後の完成イメージを具体的に定義して圧倒的な付加価値のある商品を開発すること
  • 会社の組織を見直し、仕組み化×軌道修正をする柔軟性×スペシャリストの育成をすること
  • 商品開発自体の仕組みも、スピード×チャレンジ×外部活用をすること

参入後の完成イメージを具体的に定義する必要性とは?

特に圧倒的な付加価値のある商品開発の方法が気になるところですが、まず、参入後の完成イメージを具体的に定義する必要性について聞いて見ました。

川上氏によると、新商品開発が失敗する多くの理由は、ユーザーに自社を選んでもらう強みを見極められていない中で、以下のように偏った商品開発をしてしまうことだいいます。

  • 思いつきのプロダクトアウトの商品を開発してしまい、誰に売っていいかわからない
  • マーケットイン発想で流行に流されて顕在化したニーズに目を奪われて差別化できないまま競合ひしめく商品カテゴリにチャレンジしてしまう

具体的な手法や事例が知りたい経営者・商品開発責任者の皆様へ

この記事では紹介しきれない

  • 具体的にどのように圧倒的な付加価値のある商品を開発すれば良いのか?
  • 実際に川上氏が手がけてきた商品開発の事例にどんなものがあるのか?

などについて、2018年2月21日19時から原宿(サーキュレーションビル)で川上氏にセミナーでお話頂けることになりました。

セミナー実施後に、もう少し記事を加筆したいと思いますので、乞うご期待ください。