サーキュレーションは2019年1月で創業5周年を迎えました。

企業の経営課題を、各分野の専門家が自身の強みを活かしてプロジェクトベースで解決する、という新しい働く価値観はこれまで多くの専門家のご尽力により支えられてきました。

今回は人事のプロ達のコミュニティ形成の場を提供することを目的に、完全招待制の少人数イベントを開催しました。

■当日のプログラム
19:00 〜 20:30 自己紹介
ディスカッションタイム
・事業承継×人事
・ティール組織
・RPA
20:40 〜 22:00 懇親会
22:00クローズ

■イベント参加者
人事領域のパラレルワーカーとしてご活躍されている30代、40代の方7名にご参加をいただきました。
当日は人事領域の専門家の皆様に、自身の得意テーマをあえて一つピックアップし、"#"で表現してもらい、より学びを深めていただきました。

以下、ご参加者の得意テーマです。

  • #PMI人事
  • #成果重視型評価制度
  • #人事部立ち上げ
  • #鉄壁就業規則
  • #IPO・鞍替え人事
  • #RPA導入支援
  • #ティール組織

ディスカッション
人事領域の専門家が、事例を交えトレンドワードを徹底議論!

専門家の皆様に自己紹介をしていただいた後、パネルディスカッションが行われました。テーマは「事業承継×人事」「ティール組織」「RPA」の3つです。

<事業承継×人事>
人事領域のプロを悩ませる、事業承継によって生まれる組織内の摩擦

サーキュレーションが目指す事業承継サービスとは

サーキュレーションでは事業承継サービスも推進しており、関西、東海、九州の3拠点に支社を置き、2019年以降は北陸、東北にも拠点を広げようとしています。全国30以上の地方銀行とアライアンスを組み、経営課題を抱える地域の中小企業にサービスを提供しています。

事業承継はM&Aや税金面にフォーカスされがちで、コンサルタントや仲介業者もこの部分のサポートを行うのが慣例でした。ですが、実際は承継パターンごとに成長戦略を図る必要があります。

サーキュレーションはワークシェアリングというスキームを活かし、M&Aなどの事業承継の形態から、成長戦略まで一気通貫でソリューション提供しています。

事業承継において人事コンサルタントの視点から見たときに気をつけるべきポイントはどこなのか。どんな課題があるのか。専門家はこれまでどんな事例と向き合ってきたのか。そんな議題を皮切りにして、ディスカッションをスタートしました。

ニーズが高いはずの地方には、コンサルタントを利用する風土が存在しない

まず、中小企業の数は地方に比べ都内の方が圧倒的に多いですが、事業承継は人材が多い都心よりも地方の方が課題となりやすいという点が大きな前提となりました。

その一方で、地方はコンサルタントを利用する風土がないため、サービスがあっても利用の仕方がわからないという課題を抱えています。結局長い付き合いの税理士に相談するケースが多いものの、その税理士の先生も身を以て事業承継を体験したことがないためうまくアドバイスができず、思うように進まないという現状があります。

二代目経営者の持つ知見と旧体制のミスマッチが大きな課題

もう一つの大きな課題が、先代と後継者との間に生じる考え方のギャップです。次世代の経営者が他の企業で修行期間を経た場合、そこで培われたビジネスの進め方や価値観によって先代の経営者とぶつかり、ミスマッチが生じてしまう事例も多いようです。そのギャップをどう埋めながら制度構築を行うかが、専門家の悩みどころでもあります。

実際の事例として、親族承継によって実に65年ぶりに人事制度を改訂することになった案件についてお話しいただきました。半世紀以上運用した制度は親子間でのギャップはもとより、世の中とのギャップもすさまじく、その点をどう解決していくのか、専門家の視点では非常に難易度が高いと同時に面白みを感じる部分のようです。

この問題に付随して議題となったのが、古参社員との軋轢です。これまで会社に長く貢献してきてくれた社員は当然大事にしたい。しかし、時代にあった新しい目標を掲げ、よりよい会社を作り上げていこうとする中では古参の社員がそのまま活躍できるとは限らず、やはりミスマッチに悩む場面があります。

これに対して、ディスカッションで出てきた解決策の一つは、副業の推進です。古参社員に社内ではそれなりのポジションを維持してもらい、自治体とタイアップするなどして社会性と社会的意義のあるテーマで副業をスタートしてもらう。例にあがったのは農業法人などです。突然出向するとなると、左遷された、首を切られたというマイナスイメージとなります。そこを徐々にシフトしていくというアイデアです。

今後は親族継承以外の事業承継が主流となっていく

事業承継をテーマとしたディスカッションは、最後はトレンドの話へ。今後は親族承継よりも、より優秀な経営者を迎え、ビジネスチャンスを広げるためのM&Aが主流になっていくと、数多くの事業承継案件を担ってきた専門家は見ています。

親族承継の場合は二代目と社長・古株社員とのギャップによる摩擦が生まれている一方、M&Aの場合、人材育成やミッションの策定、新しい会社としての文化醸成をどう行うかにまったくフォーカスできていない、という事例も少なくないようです。

その中では、フリーランサーの働きやサーキュレーションのビジネスモデルのような、組織に生まれた隙間をプロ人材の知見を使って埋めていく形が事業承継サービスのトレンドになるのではないか。

つまり、サーキュレーションの事業承継サービスのように、上流からコミットしていくスタイルがトレンドとなっていくはずという結論に至りました。

<ティール組織>
ティール組織がフィットする企業とは?

三角形の組織を丸い組織へと変革するための苦労と痛み

次のテーマは近年注目を浴びている「ティール組織」。成果主義、ピラミッド型の組織構造とは異なる性質を持つ、「役職や部署に関係なく賛同者で事業を作り上げる」丸い組織というイメージがあるティール組織ですが、そもそも三角から丸へと転換させることはできるのでしょうか。

後発的な組織の変革は困難となることが予想される中、実際にはどんな苦悩があったのか、ティール組織への転換を図った企業で人事のご経験を持つ専門家に伺っていきました。

事例では完全にティール組織化したわけではなく、現在も事業的な成果は求める形であるという前提がありますが、「どんな性格、人生観、存在意義を持った会社であるべきか」という理念重視の文化へと変えていくことになりました。ただ、1円単位で利益を追っている社員に向けて風土文化の変革を行うのはやはり容易ではなく、当時40~50名だった社員の3分の1は辞めるという痛みも伴ったそう。採用に関しても、理念だけに惹かれて事業には興味のない社員を採用することになってしまうなど、難しい局面が多かったようです。

産みの苦しみを経て変革から4年経った現在は、理念ベースで一気通貫する風土がかなり馴染んでいるようです。経営陣を集めてクレドを見直すミーティングを月3回1日かけて行ったり、ストレングス・ファインダー的なワークショップを一人3時間以上かけて行うなどの取り組みも活発です。現在はこれまで築き上げてきた「家族主義」から「起業家精神」のような挑戦マインドの方向性へと舵を切り直す試みも行うなど、日々最善を模索しているそうで、組織は生きているということを考えさせられました。

100の文化を持つ100の会社を生み出すこともできる可能性を持つティール組織

ティール組織と似通った性質を持つのがソーシャルビジネスではないか、という視点もありました。一部の企業では成功をしているものの、多くは失敗しているという共通点があるからです。

失敗の原因の一つは、中途半端に採り入れた結果、変革が刹那的になってしまうこと。ティール組織、ソーシャルビジネスといったキーワードは採用力に結びつき、ある一定のフェーズでは上手くいくことが想定されます。しかし、今回ディスカッションに登場した事例のように、完全にティール組織に振り切るのは非常に難しい。経営目線に立つと、ティール組織化したくても踏み切れない現状があるのではと推測されました。

疑問として出たのが、どの程度の規模までティール組織は通じるのかという点です。例として出されたイメージは、「1万人の会社を1つ作るのなら、100人の会社を100社作ったほうがいい」というもの。1事業で1会社。そして100の文化があっていい、というのがティール組織の一つの捉え方です。

ただし、例えば金融など全メンバーに平等に権限と責任を与えることが難しい業界があるように、ティール組織が合う組織、合わない組織があることも踏まえて考える必要がある点も、ディスカッションでは言及されました。

<RPA>
「ロボットが仕事をしてくれる」と働き方は変わるのか

果たして「RPAで生産性が上がる」はウソかホントか

最後のテーマはRPA(Robotic Process Automation)。生産性が低いと言われる日本の企業において、最新のITツールを導入することによって本当に生産性は上がるのかどうか、という視点から議論を進めました。

結論から言えば、成功して1万時間かかっていた作業をロボットが50時間で行ってくれるようになった企業もある一方で、失敗している会社も数多く存在するというのが専門家の認識です。

失敗するパターンはいくつかあり、一つはそもそも何のためにそのツールを導入するのか、社内に浸透していないケース。もうひとつは、RPAの機能そのものを正しく認識できていないケース。RPAは必ずしも100起動して100回成功するものではなく、メンテナンスは当然必要です。その点を認識せずに、導入してから費用対効果が見合わないと感じてしまうことがあるようです。

ロボットによって仕事が奪われると感じる人もいる中では、RPAを受け入れられる体制づくりが非常に重要で、そこには経営陣の「生産性を高める」「働き方を変える」ことへの覚悟も大きく影響すると考えられます。

紙ベースが主流の企業をRPAの市場まで持ち上げるための提案切り口

RPAの導入を提案しても、「紙の方がいい」という企業が多いのではないか。そんな疑問も議論に上りました。RPAの導入事例を100社以上見ている専門家によれば、紙文化の会社はそもそもRPAの市場に上がってこない、というのが実際のところのようです。既存の仕組みを変えていこうとする紙文化の企業は、そもそもPRA以前にエクセルを使い始めるところから始めなければならないからです。

エクセルにしろRPAにしろ、それが文化として根付いていない以上全社的に推進していくのは容易なことでもありません。理由付けとして専門家が経営陣に提案するのは、現状の作業時間と、自動化した後のビフォーアフター。業務の中にはRPA化できる業務とできない業務があるため、どこなら自動化できるのかをすべて洗い出し、優先順位の高いところから着手していく形でプロジェクト化していくとのこと。

自動化できるかどうかの判断基準は、基本的には業務を定型化できるかどうかによります。人事系の事例では、残業時間が長い社員をマネジメントするために、労働時間超過者を抽出して本人と上長にアナウンスするという業務の自動化が行われました。

これまでは、複数のツールをかけ合わせた自動化ツールを作成するには大規模なシステム開発が必要でしたが、これらを低コストで実現できるのがRPAの強みと言えるようです。

懇親会

人事のプロ達の交流の場

第二部では、サーキュレーションと専門家の交流会を行いました。

日々企業やあらゆる分野の専門家と向き合うサーキュレーションと、人事コンサルとしてパラレルワークするプロ達による意見交換。

本質に迫り続ける熱い議論、フリーランスあるある話など、話はつきませんでした。

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専門家同士のコミュニティの重要性

第一部とは雰囲気を変え、リラックスモードに包まれながらのスタート。

同じ人事領域のプロでも、少しずつ得意分野や経験の異なる専門家との交流の場を楽しんでいただきました。

最近あった事例の苦労話・悩んだポイント、独立して良かったと思う瞬間、仕事が面白いと感じる瞬間などパラレルワーカーとして同時に様々な企業を見ているからこその視点を伺いました。

皆様に楽しんでいただけたようで、主催である私どもも大変嬉しく思います。

最後に

サーキュレーションには、プロとして戦う意識の高い各分野の専門家10,000名以上にご登録をいただいております。

プロ達が楽しんでくれるオフラインイベントとは?からスタートした今回のハイレイヤーなイベントには、他のコミュニティでは出会えない人と繋がるチャンスがあったようです。

ここで、アンケート回答結果を一部抜粋し、ご紹介します。

  • よくあるネットワーキングではなく、スペシャリスト達の交流の場というのがとても魅力的で刺激的だった。
  • 独立すると、ちょっと悩んだ時に相談できる存在が意外と少ない。今回のイベントではプロとして活躍している方との横の繋がりもできてありがたかった。
  • バックボーンの違う人事同士が意見交換できる場は非常に貴重で、勉強になるご意見を沢山伺うことができた。
  • 今回の参加者全員、素晴らしいご経験とご実績をお持ちで、自分ももっと勉強しなければと身が引き締まった。
  • 今回は3時間だったが、あっという間に終わってしまった。次回も是非参加したいし、今後もこのような専門家同士の交流の場を設けて欲しい。

「新しい働く価値観」を専門家と一緒に作っているサーキュレーションは、登録者の皆様に楽しんでいただける完全招待制のイベントを年に数回開催し、オフラインでの交流・コミュニティ形成にも力を入れて行きます。

フリーランスマーケットのリーディングカンパニーである私達は、これからも時代のパイオニアであり続けたいと思いますので、皆様も是非注目していてください。

企画担当:新井 みゆ