フリーランスで生活する！フリーランスが企業と締結する契約とは

フリーランスとして契約に臨む場合、契約内容を確認することは何よりも大切です。そもそもフリーランスは企業とどんな契約を締結するのか、契約上どのような地位になるのか。そしてトラブルを防ぐために、契約締結時にどのようなポイントに注意する必要があるのでしょうか。

今回はフリーランスとして独立するにあたり、最初に理解しておかねばならない契約について解説します。

なお、具体的な契約書の作り方については『フリーランスの契約書はどうすればよい？～契約書の注意点と必須項目～』をご覧ください。

フリーランスは企業と業務委託契約を締結することが多い

業務委託契約とは一体どんな契約か

多くの場合、フリーランスは企業と業務委託契約を締結します。業務委託契約は法律的には請負契約が中心となります。請負契約に合わせて秘密保持・著作権譲渡に関する条項等が入り、業務委託契約となります。

請負契約と混同しやすい契約としては、委任契約があります。両者の違いは、何をもって報酬を得ることができるかという点です。

請負契約においては、委託された業務の完成と納品をもって報酬が発生します。一方で、委任契約は委任を受けた者は事務処理をすること自体が目的となり、クライアントの望む結果を実現できなくても報酬を得ることができます。

業務委託契約上のフリーランスの地位は？

業務委託契約上のフリーランスの地位はあくまで個人事業主であり、企業と対等です。企業から委託された成果物を納品する義務はあれど、企業と雇用関係にあるわけではありません。

業務委託契約と雇用契約の違い

業務委託契約と雇用契約の最大の違い

業務委託契約と雇用契約のもっとも大きな違いは、プレイヤーに対する指揮命令権が誰にあるかという点です。雇用契約の場合、末端の従業員に対する指揮命令権は上司にあります。一方で業務委託契約の場合、約先の企業からあれこれと命令をされることはありません。

業務委託契約のメリット

業務委託契約のメリットとしては以下のものが挙げられます。

・働く時間が自由
・休日も自由に決められる
・プレイヤー次第で大きな報酬を得ることができる
・仕事を選ぶことができる

業務委託契約のデメリット

業務委託契約には大きなメリットがある反面、以下のようなデメリットもあります。

・仕事が取れない場合、無報酬
・不安定
・自信を管理する人間がおらず、業務ペースを自己管理しなければならない
・労働基準法等の保護を受けることができない

注意！業務委託契約に想定されるトラブル

委託者の想定と違う納品を行うことによる委託者との衝突

業務委託契約においては、いくつかのトラブルが想定されます。第一に、依頼主はフリーランスの業務を細かく管理することができません。そのため、フリーランスが実際に納品した成果物が依頼主が想定していたものとは大きく違い、支払い拒否等のトラブルとなる恐れがあります。

継続的に仕事があるとは限らない不安定さ

フリーランスと切っても切り離せない悩みは、仕事が常に存在するとは限らない不安定さです。企業に雇用されている場合、たとえ仕事がなくても雇用期間中は給与を受け取ることができます。

しかしフリーランスは、自分で仕事をとらなければならず、仕事が取れなければもちろん報酬も発生しません。会社員よりも大きく稼ぐチャンスのあるフリーランスですが、その反面、報酬がゼロとなる恐れもあるのです。

案件管理能力不足による納期遅れ

フリーランスは自身の業務を自身で管理しなければなりません。そのため、自身でとった仕事は自身で徹底的に管理する必要があります。仮に管理を怠り、委託された業務を納期までに納品することができなかった場合、その業務の報酬がなくなる恐れがあります。

問題を起こさないための業務委託契約書チェックの方法

委託業務の難易度と納期のバランス

ここからはトラブルを防ぐための業務委託契約書の具体的なチェック方法です。業務委託契約書には委託する業務内容、納期および報酬などさまざまな要素が盛り込まれます。今回は、その中でフリーランスとして仕事を失敗しないために必要とされる最低限のチェックについて紹介いたします。

業務委託契約を締結する場合、はじめに確認しなければならないのが委託する業務の量および難易度と納期のバランスです。ここのチェックを誤ると、最終的に納期遅れが発生する恐れがあります。業務内容については業務委託契約書に細かな部分まで現れない場合もあります。その場合は、契約締結前に依頼主に業務内容を細かな点まで確認する必要があります。

報酬金額の具体性

また業務委託契約書をチェックする際は、報酬金額が具体的に記載されているか否かもチェックが必要です。

業務委託契約においては、報酬について「成果物の出来を確認したうえで検討する」や「契約後、両者の協議のうえで決定する」という記載がある場合があります。報酬はまさにフリーランスの生命線です。報酬について曖昧に表現されている契約書には絶対にサインをしてはいけません。

損害賠償条項と契約解除条項のチェック

フリーランスが業務委託契約上で負う恐れのあるリスクとしては、損害賠償と契約解除が代表的です。損害賠償の内容および契約解除事由業務委託契約書によりさまざま。

どちらもフリーランスに致命的なダメージを与えかねない条項です。契約書のチェックは骨の折れる作業ですが、後のトラブルとリスクを避けるために隅から隅までしっかりと行いましょう。

フリーランスで生活するには、いかに適切な契約を交わせるかが大切

以上のように、フリーランスとして働く場合、ひとつひとつの契約の責任はすべて自分が負うことになります。

そのため契約締結時には、想定されるトラブルを回避するために、契約書を隅から隅までチェックしましょう。そうすることで、納期遅れ等のトラブルを回避し、フリーランスとしてのメリットを存分に享受することができます。