フリーランスになるには資格が必要?
フリーランスでWebデザイナーやエンジニア・ライターなどの仕事を始める人がとても増えています。なかには、副業や在宅ワーク・主婦ワークとして仕事している人も多いのではないでしょうか。そしてフリーで仕事を始めるときに気になるのが、資格取得は必要かどうかということ。
資格取得の必要度合いは、フリーランスを始める方の経験が豊富なのか、すでに取引先や顧客の見込みがあるのかどうか。また、職種ごとに資格の重要性が変わるため、職種ごとの資格の優位性は、のちほどの章で解説していきます。
すでに経験が豊富な場合は、資格が必要ないことも
フリーランスにとっての資格は、あくまではじめて仕事を受注する際に、クライアントに選んでいただくためのひとつの要素に過ぎません。
どんな職種でも、すでに経験や実績が豊富な場合は、とくに資格は必要ないことが多いでしょう。例えばネットワークエンジニアで、会社員時代にたくさんの案件実績がある方は、それらをアピールすることでフリーランスの仕事に繋げることができるからです。
また同様に、取引先になりそうなコネクションをすでに多数持っている場合も、資格は不要だと言えます。
IT系・Web系の資格の必要性について
プログラマー・エンジニア・SE
Web系の開発・設計に携わるプログラマー系のフリーランスは、資格が重要視されることが多い職種です。設計書を作成する能力や、言語の習得能力を測るのに、成果物だけでは判断が難しいため。
具体的には、基本情報技術者・ネットワークスペシャリスト。言語ごとの資格を取得するならば、Javaプログラマ資格を取っておくとよいでしょう。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーの資格には、Adobe認定エキスパート、DTPエキスパート認証試験などがあります。
しかし、成果物あたりで報酬が支払われるデザイナー職の場合、資格や免許はほとんど重視されません。それよりも成果物の完成度が問われます。資格取得に励むより、より多く実績を作り、作品集・ポートフォリオの充実させることを優先させましょう。
Webデザイナー・Webディレクター
Web系職種もグラフィックデザイナー同様、実績があれば資格自体はそれほど重視されません。しかし業界未経験の方が、体系立てて勉強するために資格を取得することには意味があります。
Web系の資格は多くの種類がありますが、例えばWebクリエイター能力認定試験・Web検定・AdWords 認定資格などが一例です。
コンサルタント・カウンセラー系の資格の必要性について
経営コンサルタントなど専門性のある分野
コンサルタントやカウンセラーなど信用を売りにする職種の場合は、資格の有無で顧客からの信用度に差が付きますし、報酬水準も変わりますので、資格取得を積極的に目指すべきです。
経営コンサルタントなら中小企業診断士、心理カウンセラーならば臨床心理士、キャリアカウンセラーならキャリアコンサルタント試験…という風に、職種ごとに資格を選定しましょう。
スピリチュアルなど独自の世界観の分野
占い・鑑定などスピリチュアルな分野のセラピストの場合、資格を取得するよりも、顧客から熱い信頼を寄せてもらえるような関係づくりやセルフ・ブランディングが大事です。
資格を持っているからこの人に頼もうということにはなりません。資格取得よりも、人間力を上げ、自己プロデュース力を身につける時間を作りましょう。
マスコミ系フリーランスの職種
カメラマン・フォトグラファー
写真技能士・フォトマスター検定などの資格はありますが、資格はほとんど必要ありません。IT系のデザイナー職と同様に、写真という納品物のみで判断される世界だからです。
いくら資格を持っていても写真が魅力的でなければ依頼は増えませんよね。勉強のために資格を取得するのはアリですが、作品集の充実を優先しましょう。
イラストレーター・画家
カメラマン同様に、試験や資格はとくに必要ありません。資格取得に時間を割くよりも、たくさんのイラストを描いて作品を増やし、ポートフォリオを充実させていきましょう。
フリーライター・編集者・校正者・翻訳家
フリーランスのライターになるために必須の資格はとくにありません。クライアントが仕事を依頼する際に重視するのは、「どんな文章を書けるのか」という過去の実績だからです。ただし勉強のために、校正技能検定を受けるのはよいことでしょう。
翻訳・通訳の場合は、語学力を証明するためにTOECの成績などを用いることが多くあります。
職種によるが、資格は必要ないことも多い
職種ごとに資格の重要性について解説してきました。職種によりますが、実績が豊富にあれば資格が一切問われない職種も多く、資格は経歴を補強する程度のものだと考えておきましょう。
もちろん未経験からフリーランスになる場合、勉強のために資格取得を目指すのはよいことです。ただし、資格よりも実績が重要とされる職種も多いので、実績作りの時間を削らないように注意してください。