フリーランスのWebデザイナーには誰でもなれる
未経験でも知識がなくても「フリーでWebデザイナーやってます」と名乗った瞬間から、肩書きだけなら誰でもフリーランスのWebデザイナーになれます。しかし、ちゃんと仕事を獲って生計を立てて行けるのか…となると、全く話が異なります。
コンスタントに仕事を受注し、売り上げを上げていくためには、制作実績やクライアントの信頼関係、最新の技術へ常に対応していく力が必要です。
駆け出しのWebデザイナーがゼロから制作実績を作っていくにはどうしたら良いのか、どのように仕事を獲っていけば良いか、どのくらいの年収を目指せば良いのかを解説していきます。
なお、以下もご参照ください。
フリーランスのWebデザイナーの平均年収はどれくらいか
フリーランスWebデザイナーの平均年収は、一般的に300万円程度と言われています。一方で、会社員の年収は、Web制作会社の場合380万円~、デザイン会社で350万円~、広告代理店で450万円~、人材派遣社員の場合440万円~となっています(平均年収.jpより)。
失業保険や雇用保険などを考慮すると、フリーランスのWebデザイナーとして生計を立てていくならば、会社員のデザイナー以上の年収を目標にしていきたいところです。
目標を決めてステップアップしていこう
会社員の平均年収以上を目指したいとは言っても、独立当初からその年収を得るのはなかなか難しいでしょう。まずは実績を積み重ねていき、自分のポートフォリオを充実させ、次の仕事に繋げることを目標に仕事を受注していきましょう。
着実にステップアップしていくためには、具体的な目標づくりが大切です。
例えば年収450万円を3年後に達成したいのであれば、1年目250万円から2年目・3年目と年率1.4倍すれば達成できます。目標をしっかり意識して、着実にクリアしていく事が必要です。
実績なしから仕事を獲得するステップ
1. まずは低単価でも実績を重ねていく
どんなに技術があっても、実績が少ないと仕事の依頼を受けることが難しくなります。まずは、低単価でも実績を重ねていくことが大切です。また、初めは友達や知り合いに「無料でいいからサイトを作らせてくれないか?」とお願いするのも一つの手段かもしれません。
制作実績を充実させるまでは、時には投資だと割り切り仕事を受注していくことが必要かもしれません。
2. 自分のサイト・ブログ・SNSなどを開設し、情報を発信する
制作実績が無かったとしてもスキルをアピールする方法があります。今までの仕事で得た知識・スキル、仕事に対する考えをサイト・ブログ・SNSを開設し、情報を発信することです。
独立して実績が無かったとしても、発信する情報から仕事を依頼してくれるクライアントがみつかるかもしれません。
3. ポートフォリオをつくる
クライアントが発注先を選定する時に必ず見るのが、デザイナーの過去の制作実績=ポートフォリオです。サイトのデザインはもちろん、デザイナーがどんな技術を扱えるのか、どのくらいの期間でサイトを構築できるのかという点を見て、発注先を決める判断材料にするのです。
ポートフォリオには、実際に担当したサイトの名前やURLを載せて、そのサイトのどの部分に携わったのか、使用言語・製作期間・成果(アクセス数など)を具体的にまとめましょう。どの段階まで関わったのか、ディレクションまでできるのか、マーケティング力もあるのかなども記載していきましょう。
できるだけ多く情報を盛り込みつつ、TOPページのキャプチャ画像などを載せながら、見やすく作るのがポイントです。
4. クラウドソーシングで受注する
Lancersやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスを使い、Webサイト構築の案件を探して応募してみましょう。これらのサービスには、制作会社に頼むよりも安価でサイトを作りたいと考えているクライアントが集まっています。
実績が少ないWebデザイナーでも、ポートフォリオや自身のサイトがしっかりしていれば、価格をより低めに設定することで受注することが可能です。自分の実績としてポートフォリオにしっかり書ける案件かどうかを意識して、応募していきましょう。
5. エージェントを利用する
実績が増えてきたら、クラウドソーシングよりも高単価の仕事を受注できるエージェント(案件紹介サービス)に登録しましょう。レバテックフリーランスやギークスジョブなどたくさんのエージェントがあります。
エージェントに登録すると、デザイナーのスキルや希望に応じた案件を紹介してくれたり、豊富な案件を持っていたりというメリットがあるので、ぜひ積極的に利用していきましょう。個人で交渉が難しい大手企業などの案件などが見つかることもあります。
6. 異種交流会に参加して横のつながりを作る
仕事を依頼してもらうには、多くのクライアント候補と出会うことが大切です。積極的に異種交流会に参加し、横のつながりを作りましょう。Webデザイナーであることや専門分野をしっかり名刺に記載しておけば、後々になって仕事が舞い込んでくる可能性もあります。
クライアントとの出会いももちろんですが、同じフリーランスのWebデザイナーとも知り合い、交流を深めることも大切です。お互いに意見交換することで、良い案件を見つける方法など、仕事に繋がるヒントがもらえます。
さらにステップアップするために必要なこととは
得意ジャンルをつくり、差別化をする
ある程度実績が増えてきたら、次のステップとして自分の得意ジャンルを作り、そのジャンルの専門家になることを目指しましょう。
例えばクリニックの院長がサイトを作ろうとしたときに「どんなサイトでも作れます」というWebデザイナーと「医院・クリニックのサイトの実績を多数持っています」というデザイナーがいたら、後者に頼みますよね。
得意ジャンルを作ることでその分野に対する知識も深まり、サイトの配色・構成などデザインの方向性も一方向に定まっていきます。メインカラーやテイストが違うさまざまな業種を担当するよりも、効率的に仕事を進めることができるため、収入アップにつながりやすいというメリットもあります。
時には仕事を受けないことも必要
着実に収入を上げていくためには、時には割に合わない仕事を断る勇気も必要です。実績作りのために安価で引き受けていた仕事も、軌道に乗ったあとは正規の価格で受注するようにしましょう。
また、価格の割に工数がかかったり、何度も修正が必要な割の合わない仕事は、追加料金をもらえないか交渉し、同意が得られないようであれば契約を見直すことを検討しましょう。収入アップの足枷になるような案件は断るべきです。
自分のスタイルで仕事ができるのがフリーランスの醍醐味
仕事を獲っていく方法や収入アップにつなげていくためのポイントを解説してきましたが、これらの方法にこだわる必要は全くありません。自分のスタイルで好きなように仕事を進めて行けるのがフリーランスの醍醐味だからです。あなたのやり方であなたのやりたいように進めれば良いのです。
自分の手で仕事を切り拓いていく面白さを感じられるのがフリーランスの良いところ。嫌な案件を断っていいのも、会社員ならばできないことですよね。サラリーマンにはできない自由なスタイルで、やりがいのある毎日を送っていきましょう!