ソフトバンク、リクルートを経て、多くの営業組織をみてきた営業ノマドによる連載第三回です。「売れたかったら靴を磨け」と上司から言われたことがないでしょうか。今回は売れる営業に必要な身だしなみから生まれる心構えについて解説していきます。

売れたかったら靴を磨けといわれる二つの理由

突然ですが、あなたは靴磨いているでしょうか?

営業であれば週に1回は靴を磨くべきだと思います。それはなぜか?

「靴を磨いている営業は売れる」からです。その理由は大きく分けて二つ。

1.お客様が見ているから

神は細部に宿ると言います。その細部が靴だというお客様は意外と多いのです。靴は磨かないと簡単に汚くなりますが、手をかければかけただけ美しくなるのをご存知でしょうか。傷がついていようが、色が落ちていようが、丁寧に手入れされた靴は美しいのです。むしろ、そういった傷や色落ちをどのように美しくするかが靴磨きの一つの楽しみとも言えるでしょう。

つまりは、自らの商売道具をどれだけ大切にできているかということを靴から連想しやすいのです。そして出会った時や別れ際、頭を下げた時に目に入りやすいのも靴なのです。

「靴が綺麗だったから」という理由で大型受注した営業を私は2人知っています。また、「靴が綺麗だったから」という理由で他社の営業に仕事を取られた営業を1人知っています。それくらい、靴を見ている経営者は多いのです。

ちょっと別の話にはなりますが、私は「お辞儀の角度が浅かったから」という理由で仕事を取り逃したことがあります。比較対象になった営業は最敬礼が非常に美しかったそうです。こういった所作で仕事を選ぶお客様もいるということを常に意識としては持っているべきです。

2.靴を磨くことで心に余裕が生まれるから

靴を磨く時間は私にとっては貴重な時間です。

「靴磨きは座禅と似ている」

靴磨きを趣味にしている人で同じことをいう人も多いのですが、有名なスポーツ選手の言葉を借りるとこの行為は「心を整える」時間とも例えられます。

何も考えず、ただ無心になって磨く。
革の光を感じ、より美しくなるようにただただ、磨く。

いつでもスマホを手にもって動いている自分としては頭が空っぽにできる本当に貴重な時間なのです。そうして生まれた心の余裕は仕事でもプラスに働きます。

必死になっていたら見えないところに、気がつくようになり、自分の足下に自信が持てているのでお客様に集中できます。
靴を磨くという些細なことから、プラスの循環ができてくるのです。

細かいところに気を配れるようになるには、「心配事」が少ない状態を作るという必要があるのだということを靴磨きから発見することができたのです。

靴との付き合い方

靴の話になると高い靴を買えという人も多いですが、私は本革であればそこまで高い靴を買う必要はないと思います。その代わり、履くのは1週間に2回までにしましょう。

そしてシューキーパーは必ず使うといいでしょう。そうしないと靴が湿ってダメになってしまいます。靴は湿気に弱いのです。
なので、週5日履こうと思うと3足は必要になります。3足をローテーションで履けば安い靴でも5年は持ちます。合皮の靴に比べて本革の靴は高価ですが、3年位のスパンで考えれば本革の方が全然安価です。

そして週に1回、少なくとも2週に1回は磨きましょう。実際、磨くというより化粧水を塗るようなイメージです。この磨く一手間だけで持ちが全然違ってきます。

自分の身だしなみを整えることは、心も整うことに繋がり、必ずプラスの循環を生み出します。そしてそれは巡り巡って、あなたの仕事にもきっと役立つはずです。

専門家:畠山 和也

ソフトバンク、リクルート、ラクスルにてマーケティング・営業を歴任した後独立。自身が一線の営業として活動するのみならず、顧客のマーケティング・組織まで踏み込んだ施策を実行。メーカー・商社・代理店・小売など30業種以上を担当。顧客規模としても大手から中小まで幅広い経験がある。現在、営業・マーケティングコンサルタントとして6社を担当。成果にコミットしたコンサルテーションに定評がある。
   

ノマドジャーナル編集部

   

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