ベンチャーが、最初に困る点の一つが、リーガルです。契約書を読むのも不慣れなスタートアップ人材にとってなかなかハードルが高いと思われているリーガルですが、何かあってからでは遅いものの、何か起こるまで重要度もわからないので、手薄な企業もちらほら。プロに確認せずに自分でやってしまうと後々で大きな失敗につながることも大いにあります。一方で、ちょっとしたリーガルアドバイスが後々生きることもあります。
たくさんのベンチャーの事例をみてきた、AZX総合法律事務所のパートナー弁護士の長尾先生によるベンチャーでよくあるリーガル相談事例についての連載記事をまとめました。
サービスローンチで必ずぶつかる? ビジネスの基本、規約作りのポイント(前編)
2015年08月10日掲載 サービスローンチで必ずぶつかる? ビジネスの基本、規約作りのポイント(前編)
第1回は、新規事業担当者やベンチャー経営者は必見の、サービスローンチ時に必ず必要になる「利用規約」についてのいくつかのポイントを解説していただきました。
新規サービスのローンチの際にクライアントから最も多く相談を受けるのが利用規約についてです。利用規約はウェブ上で同業他社のものを多数取得することが可能であるため、弁護士等の専門家の力を借りなくともそれなりの形にすることは難しくありませんが、ポイントが分かっていないと、自らのサービスにフィットした最適な利用規約を作成することはできません。まずは、利用規約にはどのようなリスクがあるのか、いくつかの失敗事例を含め紹介しています。
「炎上」を避ける!WBS砲での損害賠償リスクを考えた規約作りのポイント(中編)
2015年08月11日掲載 「炎上」を避ける!WBS砲での損害賠償リスクを考えた規約作りのポイント(中編)
中編では、免責事項、権利、登録取り消し手続について以下テーマに沿って具体例を出し詳しく解説しています。
- WBS砲によるサーバーダウンで損害賠償リスク?免責事項
- 意外と「炎上」が起きやすい?!権利に関する事項
- 特に有料サービスは注意!登録取消手続の規定
M&Aは最初から考慮しよう!契約上の地位の移転。規約作りのポイント(後編)
2015年08月17日掲載 M&Aは最初から考慮しよう!契約上の地位の移転。規約作りのポイント(後編)
後編として、利用規約変更について、地位の移転、消費者契約法について以下テーマに沿って具体例を出し詳しく解説しています。
- 規約の変更内容をサイトにアップしただけで本当にOK?利用規約の変更の手続
- 最初からM&Aも考慮しよう!契約上の地位の移転
- 「損害の賠償はしません」では通じない?気を付けるべき法律、消費者契約法
基本的には利用規約一般のものであり、個々の利用規約を作成する際にはこれ以外にも気を付ける事項が多く出てくると思います。利用規約の作成は簡単なものではありませんが、例えば将来サービスの利用者が100万人を超えたような場合には、100万人に対して適用されることとなるものです。従って、その重要性を踏まえ、最初に作成する際には気合を入れて作りましょう。
プラットフォームビジネスに潜むリスク。C to Cビジネスのスタートで躓かないために(前編)
2015年09月14日掲載 プラットフォームビジネスに潜むリスク。C to Cビジネスのスタートで躓かないために(前編)
第2回は、Airbnb、Uberをはじめとして、最近、注目を浴びているC to Cビジネスについて。C to Cビジネスでは事業者自らが製品やサービスを提供するわけではないため、資力のないベンチャー企業でもサービスをローンチすることが難しくなく、ベンチャー企業のサポートを専門としているAZX総合法律事務所の元には多くのアイディアの相談が寄せられます。
しかし、Airbnbのサービスが日本において実施されるにあたり、旅館業法の規制の適用が話題となっているように、C to Cビジネスを行う場合には法律上の課題に直面する場合もあり、折角考えて準備を進めても、ローンチ間際で法的な問題が発覚するというケースも少なくありません。
そこで、前編では、多くのビジネスモデルが共通して直面する課題であろう許認可について解説しています。
プラットフォームビジネスに潜むリスク。C to Cビジネスのスタートで躓かないために(後編)
2015年09月14日掲載 プラットフォームビジネスに潜むリスク。C to Cビジネスのスタートで躓かないために(後編)
後編は特商法、利用規約、決済システムを取り上げ以下テーマに沿って具体例を出し詳しく解説しています。
- 特商法の表示で躓くな!提供ユーザーにも特商法が適用される?
- 利用規約で躓くな!トラブルが起きた時のために
- 決済システムで躓くな!決済代行会社等に早めに相談
個人事業主、独立コンサルタントへの第一歩。必ず押さえておきたい業務委託契約/知的財産権(前編)
2015年10月07日掲載 個人事業主、独立コンサルタントへの第一歩。必ず押さえておきたい業務委託契約/知的財産権(前編)
第3回は、受託者として、ノマド、個人事業主の多くは避けることができない、委託者側としても企業が外部人材を活用時に必要となる「業務委託契約」を取り上げます。その中でも重要な条項として、知的財産権の帰属、損害賠償について前編では解説しています。
個人事業主、独立コンサルタントへの第一歩。必ず押さえておきたい業務委託契約/損害賠償(後編)
2015年10月09日掲載 個人事業主、独立コンサルタントへの第一歩。必ず押さえておきたい業務委託契約/損害賠償(後編)
後編は、こちらも委託者と受託者での契約時の交渉のテーマとなりやすい「損害賠償」です。特に委託者が受託者に損害賠償請求することが多いため、個人事業主や独立コンサルタントとして仕事をする方々は気をつけておきたいテーマです。
前編と後編を合わせて、知的財産権の帰属および損害賠償の条項案およびチェックポイントを理解できる内容となっていますので、是非こちらの記事を参考にして、お互いの立場にも配慮しつつ、適切な契約を締結して頂ければと思います。
いかがでしたでしょうか?ベンチャー企業が陥りやすいリーガルの躓きポイント、注意すべき点を今後も分かりやすく解説していきます。
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ノマドジャーナル編集部
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